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理科ハウスで起こるさまざまなできごと。

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2020年12月27日(日) (NO.990)

ろうそくの科学


毎年恒例のクリスマスレクチャー「ろうそくの科学」。

今年は実施するかどうか悩みましたが、人数を少なくし、三密を避け、対策を万全にとって行いました。

ろうそくの科学は、もはや「年末の第九」のようになっていて、

こんな状況下でも、参加してくれる方がいるのは本当にありがたいことです。

実験ショーの最後に必ずお話するファラデーの言葉、

「どうか来たるべき時代のために、ろうそくのように光り輝いてください。

すべてのあなたの行いを正しく、みんなの役にたつものにすることによって、世界を明るく照らしてください。」

コロナ禍にあって、この言葉がいっそう身にしみました。


今年は臨時休館をせざるを得ない日が多く、十分な活動ができたとは言いがたい一年でした。

そんな中でも、予想外に盛り上がったコーナーがありました。

それは『みんなの疑問』です。

これまでは、質問者が中高生で、回答者が大人のケースがほとんどだったのですが、


中学生が大人の疑問に答えることもありました。

中学生の質問に対し、他の学校の生徒が教える場面もありました。

来館できないからと、メールで答えを送ってくれる方もいらっしゃいました。

壁いっぱいに貼られた疑問の数々、

これがこの一年の一番の成果といってもいいかもしれません。


2021年も感染状況を見ながらのスタートです。

臨時に休館するかもしれませんが、学びの歩みを止めることはありません。

どうかみなさまご無事で、新しい年をお迎えください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年12月22日(火) (NO.989)

逗子市役所でレクチャー


今日は逗子市役所に行きました。

逗子市役所環境都市部緑政課のお声掛けで「三浦半島はどうやってできたのか」の解説を行うことになったからです。

聞いてくださったのは、日頃、逗子市内の都市整備や安全に関わるお仕事をされている職員のみなさん。

会議室に15人ほどで、密を避けるために、ひとつの長机に一人ずつ座っていただき、

展示資料もひとり1セットずつ用意しました。


逗子層、池子層など7種類の地層の石や化石を手に取りながら、

とても熱心に聞いてくださったので、やはり関心が高いのだなあと感じました。


今日の話が少しでもお役にたったかなあと不安でしたが「おもしろかった」と言ってくださっていたのでほっとしました。

いつも町を支えてくださってありがとうございます。

緑政課のみなさん、お世話になりました!

理科ハウス 森裕美子

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2020年12月16日(日) (NO.988)

年末の開館情報


感染拡大が止まりません。

理科ハウスでは自分達でできることをと考えて、先週の土日月の3日間を臨時休館にしました。

タウンニュースや新聞紙面で紹介されていた後だったので残念でしたが、仕方ありません。

今週も様子を見ていますが、感染者数は横ばいです。

そこで年内は理科ハウスクラブの会員のみで、しかも密にならないように予約制で開館したいと思います。

感染者が増えるようなら、臨時休館も視野に入れておこうと思っています。

予定がたてにくくて申し訳ありませんが、ご協力よろしくお願いします。

理科ハウスクラブに入るにはメールでお問い合わせください。


理科ハウス 森裕美子

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2020年12月7日(日) (NO.987)

液体窒素で非日常体験


先月末に、知り合いから「液体窒素があまったので使いますか?」という連絡が来ました。

喜んで取りに行くことに。

液体窒素があれば、-196℃の世界を体験できます。

普段見ることのできない不思議な現象、空気が液体になったり、バナナがあっという間にカチンカチンになったり。


でも液体窒素はドライアイスと同じように、保存することができません。

あわてて、15種類ほどの実験の準備をしました。


お約束のバナナトンカチ。


バラの代わりにサザンカとタンポポで。バリバリ音がすごい!


風船を液体窒素にイン。


液体酸素の色は薄い青。磁石を近づけると、液が近寄ってきて常磁性を確かめられる。


手作りドライアイス。


超伝導体でネオジム磁石を浮かして、ピン止め効果を観察する。


ピン止め効果を説明するTくん。


最後に、エタノールの入った霧箱を冷やして、α線やβ線などの放射線を観察しました。

全部やると2時間くらいかかりましたが、極低温の世界を満喫することができました。

途中で中学生から、いろいろなアイデアが出て、やってみたりもしました。


液体窒素はもうなくなってしまいました。

今回、体験できなかった人はまたのチャンスを楽しみにしていてください。


理科ハウスクラブに入会すると「液体窒素の実験やります」などのお知らせが直接届きます。

ぜひ入会してください。入れるのは、中学1年生から25歳までの方です。

理科ハウス 森裕美子

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2020年11月29日(日) (NO.986)

三浦半島で金!


「三浦半島はどこから来たのか」は、三浦半島に住んでいる方しか関心がないだろうと思っていたら

意外にもそうではなく、横浜や鎌倉の方も「ぜひ!」とご覧になります。

今日の来館者は、横浜にお住まいのTさんとそのご家族でした。

最後まで解説を聞いてくださった後、何気なく取り出したのは砂金!


「三浦半島から採取したんですよ」とのこと。

えーっ!三浦半島で金が採れるの?とびっくり仰天。

Tさんは、2001年に横須賀市長井の鳶崎に貝殻採集をしに行ったとき、波打ち際にキラキラ光るものを見つけ、それが金であることを知ったそうです。

Tさんの報文によると、「三浦半島での他の場所での発見もありうる」とあります。


金と聞いて、思わず息づかいが荒くなったのは私だけではなかったはず。

これまで三浦半島のあちこちを回りましたが、また半島めぐりをしたくなりました。

三浦半島のことは一応わかったつもりになっていたけど、まだまだ知らないことがたくさんあるんですね。

魅力いっぱいの三浦半島。

みなさんといっしょにこれからも学んでいきます。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年11月22日(日) (NO.985)

地震のはなし


毎年、理科ハウスで実施している学芸員実習。

今年はコロナ禍で対面での実習がやりにくい状況にあり受付を制限していましたが、現在三密を回避しながら、一人の大学生が実習中です。


そのT大のKさんは、専門が地震学。

なんと、今やっている「三浦半島はどこからきたのか」にぴったりではありませんか!

ということで、急遽、関東大震災の解説動画をつくってもらいました。

さすが、専門だけあって仕事が早い。あっという間に動画ができあがり、翌週には発表というスピード実習です。

岩石標本や地層の模型なども使いながら、丁寧に解説してくれます。


その他、電子工作で作った地震計など、中高生が飛びつきそうな実験も用意してくれました。

距離をとりながらの解説は、まどろっこしいところもあるけれど、来館者に寄り添う姿勢を忘れないTさん。

コロナ禍であっても、他の科学館ではできない理科ハウスならではの実習を体験してもらいたいです。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年11月21日(日) (NO.984)

野口さ~ん!


宇宙飛行士・野口聡一さんが搭乗した宇宙船クルードラゴンが、11月16日に打ち上げられ、17日にISS国際宇宙ステーションにドッキングしました。

この野口聡一さんが乗っているISSが、11月18日から21日にかけて日本の上空を通過しました。



21日17時半、外に出て来館者といっしょに空を見上げました。

近所の方も出てきて、今か今かとそのときを待ちました。

17時30分過ぎ、西南西の方向に、金色にぎらっと輝く飛行物体が見えはじめました!


思わずみんなで「野口さ~ん!」(笑)

ISSは何度見ても感動しますね。

今回は野口さんが乗っているということで、一層気持ちも盛り上がります。

その夜は見事な快晴。

上弦に近い月や、火星、土星、木星、もう天頂に上がっている夏の大三角や、秋の四角形もばっちり観察することができました。


ご自宅近くでも見たという方からも報告があり、

夜空を通して、みんなでつながることができました。

いい夜でした。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年11月20日(金) (NO.983)

小柴昌俊先生を偲んで


小柴昌俊先生が今月12日に亡くなられました。

ニュートリノの観測に世界で初めて成功したことで2002年ノーベル物理学賞を受賞、たくさんのお仕事をされた科学者でした。

理科ハウスは、2014年に小柴先生が設立された財団法人平成基礎科学財団から、小柴昌俊科学教育賞を受賞しています。

小柴先生を偲んで、直筆のメッセージや受賞式のときの写真などを見ていただこうと、展示コーナーをつくりました。



小柴先生が、横須賀中学校(現在の県立横須賀高校)に通っていたとき、病気で入院。

そのときに読んだのが『物理学はいかに創られたか 』上下巻(岩波新書/1939年発行)アインシュタイン、インフェルト著、石原純訳。

大人でも読むのがちょっとと思うこの本を読んで、物理はおもしろいと思ったそうです。

小柴さんは読書家だったので読めたんでしょう。


この本の訳がよいのだ、と言われたことがあります。

石原は本当に文章がうまいと思います。

小柴先生のエピソードに石原の名前が出てくるのも、歴史とつながりを感じさせられる出来事でした。


『小柴昌俊先生を偲んで』展示は、タウンニュース(逗子・葉山版)2020年11月20号神奈川新聞2020年11月22日で紹介していただきました。

理科ハウス 森裕美子

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2020年11月15日(日) (NO.982)

三浦半島から恐竜の化石はでるのか?


先日のH中学校秋の行事に引き続き、H中 自然科学部の部員が理科ハウスにやってきました。

体験してもらったのは、こちら↓

『三浦半島はどこから来たのか』の中学生バージョンです。


『三浦半島はどこからきたのか』は、地層の名前や地学用語が出てくる学習用教材で、どちらかというと大人向け。


『三浦半島から恐竜の化石はでるのか』は、地学用語なしで三浦半島の成り立ちが理解できる教材動画。クイズも満載です!


どの画面でも、疑問を投げかけたり、意見を言い合ったり。

こういうやりとりができるところは、さすが自然科学部!

学び合う姿勢が頼もしいですね。

中1にとっては、これから学ぶジャンルということもあって、これからの学習がますます楽しみになったと思います。


『三浦半島から恐竜の化石はでるのか』は、理科ハウスオリジナル動画です。

中学校の科学部で、ぜひご体験ください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年11月11日(水) (NO.981)

逗子の魅力を探そうの旅@池子の森&理科ハウス


秋晴れの中、H中学校2学年の秋の行事「逗子の魅力を探そうの旅」が行われました。

時間内に逗子市内を歩き回り、「映える」画像をとってくるという活動です。

理科ハウスも活動拠点のひとつとなり、40名近い中学生が来館しました(三密を避けてグループで)。


当方も、とにかくいろんなものを見てもらおうと、前日からタヌキやアライグマやタイワンリスの剥製や動物の骨、卵、冬虫夏草、ウニなどの「映える」標本を所狭しと並べておきました。

理科ハウスを訪れるのは初めてという中学生もかなりいて、不思議な(へんな)ものだらけの理科ハウスに興味津々です。

1階と2階を行ったり来たりしながら、「なにこれ~!」「見たい見たい!」「やらせて!」と大賑わい。


みんなの動きを見ていて、ほおーと思ったのは、興味を示したのが、各自それぞれだったこと。

団体活動のときは人気のある展示に集中しがちなのですが、そうでもなく、

石に興味を持つものもいれば、滑車が気になるものもいる。音叉、双眼鏡、人類、やかんモビール、ノーベル賞解説・・・等々、どれもこれも「気になる!」って感じ。

じぶん視線の発見ができるようになっているということかな。

ひとりひとりのモノに向き合う積極的な姿勢を見ていて、そう思いました。


あっという間の滞在でしたが、帰り際に「ここが一番おもしろかった!」と言っていた子もいて、探検大成功!

みんながどんな映え画像を撮ったかが気になるな~。

今度はプライベートで来て、ゆっくり過ごしてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年11月6日(月) (NO.980)

電子顕微鏡を使ってみた


県立横須賀高校に行ってきました。

期間限定で(株)日立ハイテクの卓上電子顕微鏡TM3030が使えるから来ない?と 横高のO先生からお声をかけていただいたのです。


えっ、そんな精密機械がすぐに使えるの??

と、ドキドキしながら理科室にお邪魔しました。

持って行った資料は、逗子層から取り出した放散虫と宮田層の有孔虫などです。

使い方を教えていただきながら恐る恐る操作してみると、きれいな画像が出てきました。

どんどん倍率を上げることもできます。

超ミクロな世界に突入!


はじめは手取足取り教えていただいたのですが

だんだん慣れてきて、最後には一人で撮影するところまでできました。

こんなに手軽に電子顕微鏡を使えるなんてすごい。

技術の進歩をしみじみと味わった一日でした。

O先生、ありがとうございました!

理科ハウス 森裕美子

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2020年11月2日(月) (NO.979)

朝日新聞で紹介されました


10月25日に、タウンニュースに理科ハウスでやっている展示について紹介してもらいました。


そして、今日は朝日新聞朝刊の湘南版に理科ハウスの記事が掲載されました。


すぐに、親しい方からメールが届いたり、

「新聞見たよ~」と久しぶりに大学生が訪ねてきたり。

記事になったことをみんなが喜んでくれました。

改めて多くの方に知っていただくよい機会になりました。

理科ハウスが中学生以上の方を対象にしていることも、理解していただけたと思います。

この記事のおかげでまた新しい出会いがあると思うと、とても楽しみです。

理科ハウス 森裕美子

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2020年10月25日(日) (NO.978)

蟹江先生・由紀先生登場!


『三浦半島はどこからきたのか』がタウンニュ-スで紹介され、関心のある方から予約の問い合わせが続いています。



そして今日は、この動画を監修してくださった蟹江康光先生と由紀先生が来館されました。

先生の目の前で解説するとあって緊張気味の森館長でしたが、

お二人の先生が解説に加わってくださって、とっても充実したレクチャーになりました!


なんとぜいたくな!


そもそも、「三浦半島の成り立ち」は地元ネタ満載なので、地域住民にとっては身近な話ばかり。

知っている場所が出てくると、やっぱり嬉しくなりますよね!

また、「ウチの近くにこんな場所がある」と教えていただくことも多く、私たちにとっても勉強になります。

1時間以上も地学の話で盛り上がるなんて、そうそうありません。

体験いただいた方から「この解説動画は本当にわかりやすい!よくできている!」と言っていただきました。


コロナ禍がなかなか収まらず、現在も少人数予約制でお願いしていますが、

感染対策万全でご案内していますので、ぜひご体験ください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年10月18日(日) (NO.977)

コオイムシ論文発表報告


2020年2月14日の日記でも紹介いたしましたが、

2017年にKさんが発見したコオイムシが逗子市での初記録となり、本人が執筆した報文『逗子市池子でコオイムシを採集』が三浦半島昆虫研究会誌「かまくらちょう」に掲載されました。


そして今度は、三浦半島昆虫研究会の例会で、本人に講演してもらえないかと依頼がありました。

現在高校1年のKさんは、知らない方の前で話したりすることは初挑戦でしたが、こんな機会はめったにないと思い切って挑戦することに!

定期試験の合間を縫って、資料をつくり、時間内に発表する練習を納得いくまで何度も行いました。


そしていよいよ2020年10月18日当日。

会場は、横須賀市自然・人文博物館 講座室。

次々と会員である昆虫の専門家が集まり、会場はある意味マニアックな雰囲気。

Kさんはすでに緊張MAX、それをそばで見ていた私にまでドキドキが伝わってきて、気が変になりそうに!


しかし発表が始まると、Kさんは落ち着いてしっかりとした口調で解説することができました。

(コロナ対策のため、フェイスシールドを装着しての発表)


迷いがないのは、きっと「伝えたいこと」がきちんとあるからでしょうね。

ところどころでしっかり笑いもとって、最後には大きな拍手をいただきました。

講演のあと、会場から「コオイムシがハエトリグモを捕らえたとき、ぐるぐる回していたようだが、他の獲物を捕らえたときもそうするのか」

などの質問も出て、会員の高い関心がうかがえました。

論文執筆の指導をしてくださった川島逸郎さんも会場にお見えになり、「地域の自然史を報文という形にして残していくことが大切」とお話してくださいました。

最初から最後までやりきった素晴らしい発表でした。とても私にはできませんっ。


Kさん、試験を挟んでの準備、大変お疲れさまでした。

川島さん、いつもご指導ありがとうございます。

横須賀市自然・人文博物館の内舩学芸員、三浦半島昆虫研究会の中村進一さん、大変お世話になりました。重ねてお礼申し上げます。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年10月11日(日) (NO.976)

ノーベル賞をもっと身近に


2020年のノーベル賞の発表が終わりました。

理科ハウスでは毎年ノーベル賞関連の展示&クイズを作っているので今年も。



日本人の受賞者がいるかどうかは関係ありません。

ノーベル賞のニュースのおかげで科学に関心を持つ人が増える、このチャンスを逃したくありません。

今年の受賞は、医学生理学賞はC型肝炎ウイルス、物理学賞はブラックホール、化学賞はゲノム編集と、どれもわかりやすいテーマでした。

作ったクイズが、話の種になり会話が盛り上がるとうれしいな。


昨日来られた方に、ある野菜がゲノム編集されていることを話したら、とても驚いておられました。

科学は日々どんどん進んでいます。

知らないうちにこんなになっちゃった、なんて言わないように私たちもついて行かなくては!

ぜひぜひ科学の成果を見にきてください。

理科ハウス 森裕美子

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2020年10月9日(金) (NO.975)

『博物館ななめ歩き』に掲載されました


読書の秋です。

またまた素敵な本が届きました!

『博物館ななめ歩き』(文藝春秋) 久世番子/著 栗原祐司/監修



博物館業界では知る人ぞ知るの栗原祐司さんが、漫画家の久世番子さんと一緒に博物館を巡る旅の記録です。

東京都内の72の博物館とその他の県の20の博物館が紹介されています。

そのどれもが、クセが強い!


神奈川県では、な、な、なんと!理科ハウスだけなのです。



読めば、博物館が好きな人もそうでない人も絶対行きたくなる!そんな本です。

理科ハウスにあるので是非読みに来てください。

理科ハウス 森裕美子

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2020年10月2日(金) (NO.974)

旅するタネ展


10月になったので、エントランスの展示を入れ替えました。

テーマはタネ!



実りの秋は、たくさんの植物が命をつなぐために、実をつけタネをばらまきます。

驚くべきは、その拡散方法。

植物は動けないので、より遠くにタネを飛ばすさまざまな戦略を持っています。

風を使ったり、動物に運んでもらったり、植物の巧みな作戦ごとに並べてみました。

どんなタネにも旅の工夫があるとわかると、まじまじと観察してしまいます。

『旅するタネ展』は、みなさんにも協力していただいて、もっと数を増やしたいと思っています。

気になるタネがありましたらぜひお持ちください。

いっしょに観察しましょう。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年9月19日(土) (NO.973)

『算数ずかん』完成!


本ができました!

その名は『算数ずかん』(あかね書房)。


著者は小川真理子、原田佐和子、森裕美子。絵はのだよしこ。監修者は鈴木晋一。



2年前、本作り空Solaの代表の檀上聖子さんから

「算数の本を書いてくれませんか」とお誘いがありました。

著者の面々は科学読物研究会の仲間で親しい間柄、しかも何冊も本を手がけてきた人たちだったので、喜んで執筆に加わりました。

月に一回くらいのペースで集まって本を作っていきました。

執筆作業もとても楽しかったのですが、

絵がすばらしく素敵で、この原稿がこうなるのか!とびっくりでした。



対象は小学4年生くらいなのですが、大人でも絵を見ているだけで楽しいです。

算数がいかに日常の中にあるのかということを感じてもらおうと、理科の要素もかなり入っています。

だから、今までになかった算数の本になっているかも。

ちょっとお値段が高いので、図書館などにリクエストして読んでいただけたらうれしいです。

理科ハウスではもちろん読むことができますよ。


今日、来館していた中学生が読んでくれて、

「これ教科書よりいいですよ!」

なんて言ってくれて、ちょっと浮かれてしまいました。

誰か書評を書いてくれないかなあ。

理科ハウス 森裕美子

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2020年9月12日(土) (NO.972)

参考書何使ってる?


このところ、高校生の利用が増えてきました。

学校はバラバラですが、タイミングが合えば、学校から出された課題について意見交換する場面もあります。


   

先日、こんな問い合わせがありました。

「世界史のいい参考書が知りたい。みんな何を使っていますか」


すると、ぞくぞくと回答が!

「●●の参考書を先生から勧められました」

「僕の学校では、参考書は使わずもっぱら先生のプリント。これだけをしっかり頭に入れています」

「センター向き、難関私大向き、といろいろありますよ」

「まず、歴史の流れを捉えることが大切。その後で年代や人物名などを暗記していく」

「世界史に限らないけど、参考書はいくつも使わないほうがいい。一つに決めて、それを徹底的にやる」


などなど、勉強法も含めたアドバイスが次々と寄せられました。

みんな、悩みどころは同じですね。

でも自分なりのやり方を模索している姿は、お互いに刺激になっているようです。


実は大学生の来館も増えていて、

受験のときに使ったおすすめの参考書などを教えてもらうことがあります。

理科ハウスの図書室で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

公立、私立含め、こんなにいろいろな高校の生徒さんが集まるところは(塾以外では)あまりないと思うので、

情報交換の場としてどんどん利用してもらいたいですね。

あ、理科以外のことでもいいです・・・。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年9月9日(水) (NO.971)

うれしい報告


6年前に理科ハウスで学芸員実習をしたKさんが、久しぶりに来館しました。

「就職が決まりました」と渡された名刺を見てびっくり! ●●科学館 学芸員・博士 と書いてあるではありませんか!

それも超有名な大規模科学館。

すごい、すごい、理科ハウスで排出した学芸員第二号です。

Kさんの専門は天文学なので、担当はもちろん宇宙に関する展示やプラネタリウム解説です。

野辺山やアタカマの天文台でも仕事をしたことがあるKさんですから、

これらの体験を生かして大活躍してくれることでしょう。

学芸員実習を受講しても、実際に科学館や博物館に就職する人は少ないですし、そもそも募集しているところがほとんどないので、本当に快挙です。

Kさんは、科学館での仕事をこなしながら、自分の研究も続けていくとのこと。

これからが楽しみです。

Kさん、近いうちにプラネタリウム解説を聞きにいきますね。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年9月5日(土) (NO.970)

5つの質問


顕微鏡に「あるもの」がセットされています。

のぞいて、何を見ているのかをあててください。

スタッフに5つまで質問することができます。

ただし、スタッフは「はい」か「いいえ」しか答えません。



さて、あなたは5つの質問のあとに、「●●です!」と自信を持って答えることができるでしょうか。

4つめの質問で、ピンと来る方もいれば、5つでは攻めきれず、10も20も質問する方もいます。

その日のうちにたどり着けず、翌日に来館する方も!


なぞときに必要なのは、みなさんの質問力です。

この世のすべての物質を、いかに効率よく分類することができるか。

そのためには、どういう質問をどういう順番で投げかけていくか。

人によって問いが違うので、こんな切り口もあるのかと、私たちもびっくりしています。


2020年12月16日には、あの「はやぶさ2」が小惑星りゅうぐうから採取した「物質」を持って帰還する予定です。

いったいどんな物質が入っているのか。

研究者はさまざまな実験で分析を行い、物質の正体を解明していくでしょう。

「5つの質問」では、この実験と分析のかわりになるのが、「質問」ということになります。

理科ハウスにきたら、科学者の気持ちになって顕微鏡をのぞいてください。

あなたなら、最初にどんな質問をするでしょうか。


(もうすでに体験なさった方へ)

「答えは知っているよ!」という方、顕微鏡の中はすでに新しいものに変わっています。

ぜひ挑戦してみてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年8月24日(月) (NO.969)

ロックバランシングチャレンジ


7月25日にご紹介した「ロックバランシング」がすごいことになってきました。

次々に強者が現れ、とんでもない作品ができあがっています。


Mさんの作品


Kさんの作品


Iさんの作品


もはやプロフェッショナルの領域!

1つ乗せるところまではなんとかできても、2つめからは共通の重心を探さなければいけないので、難易度が倍増します。

あり得ない形に、ギャラリーもびっくり。

そして、制作者の表情があまりにも真剣なので、人を寄せ付けません。

自然とソーシャルディスタンスがとれていて、これはこれで3密対策になっています(笑)

作品を見ていると、限界を決める自分のバーがいかに低いか、思い知らされます。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年8月17日(月) (NO.968)

大学生が導く宇宙への旅


理科ハウスとしてはこれまであまり取り組んでこなかった「映像」を使った展示解説。

3密対策としてあえて導入したのですが、みなさんにしっかり伝えたいテーマのときには、とても効果的な方法だということがわかってきました。

とはいえ、来館者の興味関心に合わせた解説をこころがけている理科ハウスとしては、映像に頼るわけにはいきません。

というわけで、「三浦半島はどうやってできたのか」動画も、一方的に見ていただくのではなく、みなさんの知っていることを引き出しながら「生解説」しています。

いつもは、森館長がひとりで解説を行うのですが、今日は動画作成に協力してくれた大学1年のYさんも解説に加わりました。



ダブル解説!なんとぜいたくな!


さらに。

Yさんは自ら制作した動画を使って、「宇宙」をテーマにした特別授業をしてくれました。



クイズをしながら、宇宙を深く理解するために必要な知識を、丁寧に紹介してくれます。

その軽快な語り口に、Yさんの「宇宙っておもしろいよ!」という思いがびしびし伝わってきます。

そしてびっくりしたのは、プレゼンのうまさ。

動画って、発表する側にとっても使いやすいアイテムなんですね。

Yさんの「宇宙授業」は、どちらかというと高校生以上向け。

もちろん宇宙に詳しい中学生にも見てもらいたい内容です。

Yさん、また都合のよいときにお願いします!

理科ハウス 山浦安曇

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2020年8月15日(土) (NO.967)

房日新聞


お手紙をいただきました!

封筒の中には「房日新聞」が同封されていました。

お手紙の主は房総の鋸南に住んでいる前田宣明さんです。

前田さんは石原純のことを調べるために理科ハウスを訪ねてくださったことがあります。

石原は千葉県鋸南町保田に住んでいたことがあり、関東大震災の記録を残しています。

その事を広く知ってもらいたいと言って、本まで作ってくださいました。

とても上手にまとめてあると思いました。

その本は理科ハウスにありますので御覧になりたい方は、ぜひ理科ハウスをお訪ねください。

理科ハウス 森裕美子

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2020年8月10日(日) (NO.966)

すてきな非日常


来館時には必ず事前連絡。そして、入館したら、すぐに手洗い。

面倒なコロナ対策もすっかり定着し、みんな自発的に行動してるおかげで安心して過ごすことができています。

一日、限定5名までの入場制限ですが、

ソーシャルディスタンスを保ちつつ、ひとりひとりがここちよく過ごすには、5人ぐらいがちょうどよい人数だということもわかってきました。


また、来館するみなさんがいろいろなものをもってきてくれるので、

お話を伺ったり、いっしょに調べたり、考えたりする時間も充実しています。

持ち込まれるものは、

ヘビの抜け殻だったり、

物理の本だったり、

電子顕微鏡の写真だったり、

高校生の研究課題だったり、

なんでもあり!


昨日は、市内にお住いのNさんがこんなものを持ってきてくれました。


鳥のペリットです。

ペリットとは、鳥が吐き出した、消化できなかったもののかたまりです。

よくみるとアオドウガネの鞘翅がぎっしり入っています。

いったい誰が落としたのでしょう。

ちょうど居合わせた生きもの好きの高校生2人が、実体顕微鏡で調べ始めました。

「カラスかアオバズクじゃないかな・・・」


Nさんは理科ハウスで過ごす時間を「すてきな非日常」だと言ってくれました。

制限のある中での開館だけど、科学館らしい本来の姿にもどりつつあるのではと思っています。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年7月25日(土) (NO.965)

ロックバランシングに挑戦!


石積みアートとして今、人気のロックバランシング。

石の重心を手で探りながら、石の上に石を積み上げていく造形アートです。


これがけっこう難しく、はじめのうちは「永遠にできそうもない」と思ってしまうのですが、

粘り強く探っているうちに、ぴたっと安定する場所が見つかります。

そのときの充足感は、言葉では言い表せません!


ここまで、1時間もかかってしまいました。


でも、この満たされた感覚をみなさんにも味わってもらいたいと、体験コーナーをつくりました。

そして、今日来館した中学生に早速やってもらいました。


なんと、数分で成功!すごすぎる。

                               (K.Tさん作)

しかもあり得ない形!

あっさり抜かれました・・・。


ロックバランシングのおもしろいところは、

自分で「無理」だと決めていたのが、「できた!」に変わる瞬間を味わえること。

のせ方に正解はないので、自分自身との戦いでもあります。

理科ハウスでは、堆積岩と火成岩、変成岩など各種とりそろえました。

触りながら、それぞれの岩石の特徴を味わうこともできますよ。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年7月18日(土) (NO.964)

ブラタモリ#葉山


7月11日、NHKのブラタモリで葉山が紹介されました。

コロナで再放送が続く中、久々の新作とあってご覧になった方もいらっしゃると思います。


ちょうどその数日前に、「三浦半島はどうやってできたのか」動画教材をご覧になった方から、おもしろかった!とメールをいただきました。

「(テレビで)地層の話がでるたびに、これ、理科ハウスで言ってたね!」

と親子で盛り上がったとのこと。

三浦半島の地層のはなしを学んだ直後だったので、いつもより深く楽しめた、そうです。


葉山編でタモリさんに地層の解説をしていた、横須賀市自然・人文博物館の柴田健一郎さんは、

理科ハウスの動画の監修者のひとり。

以前サイエンスカフェ「足跡が教えてくれる恐竜のなぞ」(2017年12月16日)で、講師をしていただいたこともあります。


地学は、耳慣れない専門用語が壁になって、なかなか理解しづらいところもありますが、

この教材は「動く」ので、すっと頭に入ってきます。


そして調子にのって、

「三浦半島地層めぐり─ブラタモリ風─」も作ってしまいました。

地元の人でも、「こんなところもあったのか!」とお楽しみいただけると思います。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年7月8日(水) (NO.963)

動画で学ぶ三浦半島の成り立ち


今月から大人の方の利用もできるようになりました。

三密をさけるために先着5人までの予約制ですが、どうぞご利用ください。


今までの理科ハウスの展示は触って体験するものがほとんどでした。

でも、今はそれも避けなければなりません。

そこで、感染症が広がらないように、触らない新しい展示を作りました。


ひとつはすでに紹介した「ひとり実験」

実験テーマはどんどん増え、今や40以上の実験ができるようになっています。


もう一つは「三浦半島はどうやってできたのか」の動画です。


この動画の作成のために、自粛解除のあと、三浦半島のあちこち(名所?)を撮影するために駆けずり回りました。

目的地になかなかたどり着けず、苦労する場所もありました。

監修には4人の先生に入っていただきました。

ジオ神奈川の蟹江康光先生、蟹江由紀先生

葉山しおさい博物館の倉持卓司先生

横須賀自然・人文博物館の柴田健一郎先生 です。


三浦半島の地質は非常に複雑で、まだわかっていないことの多い地層や論争のある点など、まとめるのが難しかったです。

大地の動きを感じられる三浦半島。

この三浦半島がどうやってできたのか、動画を見るとよく理解できます。

そして、地層の見方や、いつどこでできた地層なのかなどを知っておくと、お出かけに行ったときのお楽しみが増えます。

三浦半島に住んでいる方はぜひ見に来てください。

実物の石や化石も展示しています。

理科ハウス 森裕美子

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2020年6月20日(木) (NO.962)

ソーシャルディスタンスで科学コミュニケーション


Mさんは、海洋生物を専攻する大学3年生。

理科ハウスにクラゲを紹介するコーナーがあったらいいねと、展示制作に取り組んでいました。

新型コロナウイルス感染症が流行る前のことです。

ところが外出自粛要請が出され、せっかくの展示も2カ月半そのままに。



コロナ後もサイエンスコミュニケーションは大事ですが、科学館はこれまでと同じように人に接することができない状態にあります。

そこで、Mさんが考えたのが、「クラゲの不思議─ソーシャルディスタンスバージョン」です。


理科ハウスでは生きものの生態を紹介するときに、クイズが次々に出てくる「巻物」を作っているのですが、

これだとどうしても参加者が頭を突き合わせる格好になるので、今は避けなければなりません。

Mさんは、巻物の楽しさをそのまま残しつつ、密にしないようにするにはどうしたらいいのかと考え、一度作った巻物のすべてを映像に取り込みました。

いわば、動く巻物です!

コロナだからできないのではなく、コロナでも大丈夫な方法を考える、前向きですばらしいですね。


距離をとりながら、来館者との対話もほどよくはずみます。

中には、クラゲに興味を持った中学生もいて、

ちょうど学校から課題に出されていた無脊椎動物のレポートのテーマに、クラゲを取り上げたというから影響力半端ない!

サイエンスコミュニケーション大成功です!

できないことばっかりの今ですが、ちょっとでも前に進もうとする彼女の姿勢がまぶしいです。


実はMさんは、昨年12月に行われた「ズヨコン」でプレゼンターとして登壇しました。

これは、逗子・葉山を魅力的な地域にするアイディアを一般市民が発表し、その場で仲間をつのってプロジェクトを目指すというイベントです。

この場で、彼女は「逗子に博物館を作りたい!」というアイディアを発表しました。

今回の試みは、まさにそのはじめの一歩になったのではないでしょうか。  

理科ハウスは、そんな学生さんを応援したいと思っています。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年6月11日(木) (NO.961)

コロナで私も考えた


自粛中、みなさんとのコミュニケーションが途絶えていたわけではありません。

たとえば、理科ハウス名物の「みんなのぎもん」コーナー。



まだ回答がない質問に、メールで答えてくださる方が何人かいらっしゃいました。

休館中にもかかわらず、気にかけてくださって嬉しいですね。

その中に、このような質問がありました。



みなさんなら、どう考えますか。

新型コロナウイルスは、

どのような感染症なのか、ウイルスとは何かといった科学的な問題を考えさせるだけでなく、

私たち人間はどうしたらこのウイルスに立ち向かうことができるのか、ということについて深く考えさせることになりました。

毎日あふれる情報に巻き込まれたり、どう判断したらいいか迷うこともありました。

そして、他人のふるまいについて不安を抱いたり、疑心暗鬼になったりしたこともあったでしょう。

新しいウイルスは、これまでの生活スタイルをすっかり変えてしまったのです。


この質問に対し、メールで答えてくださった方は、自分のこれまでの体験を交えながら、今の状況を客観的に分析し、アフターコロナを語っています。

10人いたら、10通りの回答があるでしょう。

あなたの考えをぜひこのおふだの裏に追加してもらいたいです。

理科ハウス 山浦 安曇

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2020年6月8日(月) (NO.960)

三密完全攻略


2カ月ぶりの開館。

「再開、待ってました!」と中学生、高校生、大学生が来てくれました。

6月は理科ハウスクラブ限定、しかも予約制でご利用いただくことになっておりますが、

知らないで来館された方も多く、入館をお断りすることになってしまいました。

本当に、本当に申し訳ございません。


久しぶりに会えた中高大生との会話は、もっぱら「自粛の間、何してた?」です。

時間がたっぷりあるからこそ読んだ長編小説の話、ネットで見た映画の話。

このコロナ自粛中に、じっくり考えたこと。

特に、学校から出された課題については、学校ごとに特徴があって興味深かったですね。

なにより、生身の人間とおしゃべりできることが、嬉しくてたまらないという様子。

こういう普通のことができなかったんですからね。


さて、再開した理科ハウスは、今までと同じようにするわけにはいきません。

理科ハウスはそもそもが三密ですから、利用の仕方を大きく変えました。

どこの学校でも、分散登校や三密対策で、理科の実験は抑えられていることでしょう。

動画で実験の様子を見たり、プリントで代用したりする状態はしばらく続くと思います。

でも、「見たことがある」のは「やったことがある」のとは大違いなので、この状況はちょっと残念ですね。

そこで考えたのが、「ひとり実験」!


教科書に掲載されている実験や観察を、はじめから最後までひとりでやってみる、という企画です。

中1〜高1ぐらいまでの、一学期に行う予定の実験・観察の道具、材料をすべて用意しました。

スタッフはいっさい手出しをしません。

ひとりだから、ぜんぜん三密じゃない!



早速、取り組んだ中学生は、教科書通りにいかず、「なんで、なんで~」の連続でした。

はじめからやり直したり、教科書を読みなおしたり、

失敗からたくさんのことを学んでいます。

各学年ごとに9~10実験用意しましたので、何度もチャレンジしにきてください。

理科ハウスクラブは中学生以上25歳までの方ならいつでも入会できます。

入会金は無料で、本人かおうちの方か本人のメールアドレスを連絡先として登録していただくだけです。

お気軽にお問い合わせください。

理科ハウス 山浦 安曇

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2020年6月3日(水) (NO.959)

ゆっくり始動


東京アラートが出ていますが、理科ハウスはゆっくりと進みたいと思います。

しばらくは土日のみ、そして理科ハウスクラブ会員限定です。


振り返ってみると2か月間の長い休館でした。

普段できないことをやろうとあれやこれやと思いつき、手を広げたためにまだやりきっておりません。

でも、いつまでも休館というのも寂しすぎますね。

待ってくれている人がいるに違いありません!


6日から開館いたします。

当分の間は人数制限し、おしゃべりも距離をとってすることにしましょう。

科学館は博物館と違って触る展示がうんと多いのです。

どこの科学館も苦慮していることと思いますが、理科ハウスでは手洗いと人数を減らすことでこれをしのぎたいと思います。

ご協力いただきますようよろしくお願いいたします。

感染の様子を見ながらしだいに、平日の開館や大人の方も入館できるようにしていきたいと考えています。

理科ハウス 森 裕美子

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2020年5月21日(木) (NO.958)

休館中だからできること -その11-


動けないから、普段できないことをやる。

その中のひとつに植物栽培があります。

植物が育つには時間がかかりますから、時間がある今こそぴったりの活動ですね。

同じようなことを考える人は多いようで、ホームセンターには肥料や苗やタネを求める人が押し寄せているとか。

でもわざわざ購入しなくても、育てるものは身の回りにたくさんあります。


私が取り組んだのは、タンポポ栽培です。

セイヨウタンポポとカントウタンポポは生育過程にどのような違いがあるのか、以前から興味を持っていました。

セイヨウタンポポの方が発芽が良いと聞いていましたが、

実際に育てたことはありません。

それに、綿毛がふわーっと飛んでいった後地面に落ちて、どのぐらいで発芽するのか調べてみたいと思いました。


セイヨウタンポポのタネをコットンの上に巻いて4日目。



おおーっ、こんなに発芽している!


一方、カントウタンポポの方はひとつも発芽しません。

セイヨウタンポポの方は、6日目に子葉が出て、17日目に本葉がでました。

一方、カントウタンポポは、20日目にようやく子葉が出はじめました。しかも2個だけ・・・。

こちらは、1カ月たったところの成長状態です。上がセイヨウ、下がカントウ。


こんなにも差があるなんて。

発芽するタイミングが、種によって異なることがよくわかりました。

しかも、セイヨウの方はほとんどが発芽したのに、カントウはいつまでたっても眠ったままで発芽しません。


そして、あんなに元気よく発芽したセイヨウもそ後どんどんしおれ始め、本葉へと成長したのはちょっとだけ。

野外では風に吹かれてものすごい量のタンポポの種子が飛ばされますが、無事に発芽して生き延びることができるのは、ほんのわずかということになります。


タンポポを見分けるときは、総苞片の形を見て判断すると教科書に書いてあります。

ところが最近の遺伝子の研究から、それだけでは正確には見分けられないことが分かってきました。

カントウとセイヨウの雑種が進行しているらしいのです。

このことを、私は保谷彰彦さんの『わたしのタンポポ研究』(さ・え・ら書房)で知りました。

保谷さんは、新潟県に生息するタンポポを、片っ端から育てて成長の違いを研究しました。

その結果、野外のタンポポの多くが雑種タンポポだったということです。

多いと思っていたセイヨウタンポポを見つける方が、むしろ大変だったとも記しています。

ということは、私がセイヨウだと思っていたものも、雑種だったかもしれません。

保谷さんは、温度や土の湿り気で各種の発芽率がどうちがうか、詳細な実験をしています。

とてもおもしろいので詳しくは書籍をご覧ください。


実際、セイヨウとカントウと雑種はどういうすみわけをしているのか、興味が出てきました。

というわけで、勝手に自由研究やっていました。タンポポ、ありがとう。


さて、ご報告です。

ミョウバンの結晶が5㎝を超えました。

2020年4月11日(木) (NO.950) 2020年4月29日(水) (NO.953)



黙々と成長するミョウバンくんがかわいくなってきました。手のひらに載せるとずっしりと重いです。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年5月16日(土) (NO.957)

12年目を迎えて


今日は理科ハウスのお誕生日です。

とは言っても、もちろんのこと休館中であります。

な、な、なんと、それなのに、お誕生日を覚えていてお祝いに駆け付けてくださった方が3人も!

これは、理科ハウスは愛されているとしか考えられません。

たくさんのプレゼントもいただき、ありがたくて泣けちゃいます。



実は4月に理科ハウスの銀行通帳を記帳したら10万円もの入金がありました。

まさか、国から届いた? なんてことはありません。

お名前を見てびっくり、北海道の中村景子さんからの贈り物だったのです。

中村さんは「スペースタイム」という会社の社長さん。

スペースタイムは科学をわかりやすく伝えるお仕事をしている会社です。


寄付してくださった理由は、今は自粛が続く大変な世の中なので、もし「理科ハウスがつぶれたら泣く」から。

自分のことでも精いっぱいだと思うのに、なんと愛にあふれたお言葉!

「日本には寄付文化がない」なんてもう言わないようにしよう。

そしていつまでも愛される存在でいられるように頑張ろう。

また来年もお誕生日を無事に迎えられますように。

理科ハウス 森裕美子

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2020年5月14日(木) (NO.956)

休館中だからできること -その10-


動けないから、普段できないことをやる。

その中のひとつに気象観察があります。

室内での仕事が多いと、空を見上げることを忘れてしまう日もありますね。

しかし今はいくらでも空を見上げる時間があります。

そして、気象観察はどこかに出かけなくても自宅でできます。


以前から理科ハウスでは、もくもくシールで雲の観察を毎日行ってきました。

カレンダーに貼るシールは、一日一枚程度でした。

それがご覧ください、休館になってからは一日2枚です! ドヤ



雲は高度や形によって十種類に分類されています。

夏は積乱雲、秋は巻積雲(うろこ雲)というように、季節ごとによく見られる雲が変わっていきます。

なので、1カ月の中で10種すべてを観察することはありませんでした。

ところが、このたび午前も午後も毎日空を見上げておりましたら、やだけっこう出てる!

巻積雲も層雲も(シールが余ってしまいがち)、すぐ消えてしまうけど出ているときがある、ということに気づいたのです。

今まで見ているようで見ていなかったんですね。

だから、1カ月まめに観察していれば10種全部に出会えるということになります。


これもまた、時間があるからこその発見といえるでしょう。

そんなさなか、毎日写真を撮っているという田中Tさんから素晴らしい画像が送られてきました。

なんと、寒冷前線が通過しているところの雲画像(5月11日 6時 逗子海岸 田中Tさん撮影)


こんなタイミングに出会えるなんてすごすぎる。天気図をそのまま見ているようです。


この日(5月11日)は前日より温帯低気圧が関東を通過し、空は雲の展覧会状態でした。


巻積雲と積雲 上層と下層で風向が違うため、別々の方向に流れていく(5月11日 10時 葉山町 山浦撮影)



よく見る飛行機雲と逆の飛行機雲。雲の中を飛行機が通過すると、そこだけ雲が消える消滅飛行機雲(5月11日10時 逗子市 山浦撮影)


みなさんの自粛中発見物語、引き続き募集します。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年5月12日(火) (NO.955)

自粛中の発見


これまで私が自粛中に観察したこと、発見したことなどを紹介してきました。

きっとみなさんもいろいろな発見をしているんだろうな、と思ったら何人かの方からメールをいただきました。


・自宅近くの川にオオクチバス(ブラックバス)が泳いでいました。この場所でブラックバスを見るのは初めてです。

・庭のすみにかわいい小さな花が咲いていました。図鑑で調べてみたら「ムシクサ」という名前でした。今まで気が付きませんでした。

・エンドウマメを撒いてみました。てっきり子葉が出ると思っていたら出なくてびっくり。インゲンマメと違って子葉が地中に残るタイプと初めて知りました。

・海岸で磁石につく石を拾いました。もしかして隕石?

などなど


いや~、みなさん発見していますね。

いつもの場所なのに、違って見えるのはなぜなんでしょうか。


きっと、たっぷりの時間が新発見に結び付いているのだと思います。

以前だったら、すぐに帰らなきゃ、とか 塾に行かなくちゃとか、途中で切り上げていたんでしょうね。

だけど、今は違います。

時間は腐るほどあるのです。

考えてみれば、今まで忙しすぎたのかもしれません。

一番の長い夏休みだって、課題に追われていたのですから。


外出自粛はまだ続いています。

みなさんも自粛中に発見したことがありましたらぜひお知らせください。

私は、今度は青いワラジムシを発見しました。

自慢がてら、貼り付けておきます。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年5月5日(火) (NO.954)

休館中だからできること -その9-


動けないから、普段できないことをやる。

その中のひとつにお片付けがあります。

いつか整理しようと押し入れや倉庫の中に入れっぱなしになっていたものをひっぱりだしている方も多いでしょう。

科学館には、片づけなければならないものが山のようにあります。

特に生物標本の整理は、よほど余裕がないときでないとできません。

というかよほどやる気にならないと取りかかれません。


以前入手したままになっていたヤギの全身骨格をクリーニングしました。


洗うのに丸1日、乾燥するのにまた一日。

そして骨は、ぴっかぴかになりました。


こちらは、埋めっぱなしになっていたモグラ。


骨は、「どこの骨かなパズルのように組み立てるのが楽しいんですよね。

そのお楽しみは、とっておきましょう。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月29日(水) (NO.953)

休館中だからできること -その8-


動けないから、普段できないことをやる。

その中のひとつに庭いじりがあります。

草ボーボーになっている家周りを手入れしておられる方も多いでしょう。

そんな作業の中で、とうとう見つけました!

青いダンゴムシです。



写真整理の中で見つけた青いダンゴムシの画像を紹介したのが、先週の水曜日。

その1週間後に会えるとは!ビックリです。

見つけようと思ってもそうは簡単に見つけられないウイルスに感染した青いダンゴムシ。

どんだけ草取りやってんだ、って話ですけど、

時間がたっぷりあるからこその発見です。

レアな青いダンゴムシと言われていますが、もしかしたらみなさんのおうちの近くにいるかもですよ。

今までは探す時間が圧倒的に足りなかったとも言えますね。


そして、4月11日にご紹介したミョウバンの結晶ですが、

その後もすくすくと成長しています。

ご覧ください、Iくんのは4㎝になりました!


毎日観察していると、結晶のでき方に特徴があるのが分かりました。

成長しやすい部分と成長しにくい部分があるのです。

なので、一日ごとに吊るす位置を変えたりしています。

寝返りをうたせる感じですかね。

これも毎日継続して初めて分かったこと。


みなさんも、この自粛の中でいろいろな発見があるでしょうね。

ぜひお聞かせください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月22日(水) (NO.952)

休館中だからできること -その7-


動けないから、普段できないことをやる。

その中のひとつに画像整理があります。

撮りっぱなしになっていたデータをこの際に整理しておられる方も多いでしょう。


その作業の中で、こんな画像を見つけました。

青いダンゴムシです。

撮影したのは2018年6月。

あまりに青かったので、はじめはジャノヒゲの実かなと思ったぐらいです(季節が違いますけど)。


実はこのダンゴムシはウイルスに感染しているのです。

ダンゴムシはふつう枯葉の下や石の下などに集団で生息していることが多いのですが、このダンゴムシはどこかに隠れるわけでもなくぽつんと土の上にたたずんでいました。

動きも鈍く、明らかに他のダンゴムシと様子が違いました。


このダンゴムシに感染したウイルスはイリドウイルスと言われ、細胞内にウイルスがたまり結晶化すると、それが青い光を反射するので、青くみえるという研究があります。

青いダンゴムシは、なかなか見つからないといいますが、実は私はこれまで3回も見つけたことがあるのです!

しかも同じ場所で!

なるほど、ダンゴムシは移動距離が限られていますから、

感染範囲も限られているということでしょうか。

ダンゴムシはソーシャルディスタンスがめちゃ狭いですからね。


ちなみに、3回とも飼育を試みたのですが、採集して3日目には死んでしまいました。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月15日(水) (NO.951)

休館中だからできること -その6-


緊急事態宣言が出てから一週間がたちました。

みなさん、どのようにお過ごしでしょうか。


非日常といえば、私は6年前に2ヶ月入院していたときのことを思い出します。

ベッドの上でできることはテレビを見るのと読書くらい。

テレビはお金がかかってしまうので、「死ぬまでには読みたい本」として棚上げされて積んであった本を読むことにしました。

2ヶ月は長く、普段なら読めないだろうなと思う本も読めてしまいました。


今回、また同じような非日常となっています。

やろうと思ってできていなかったこと、それは「石原純のアーカイブの作成」です。

石原は著書の他にも雑誌に記事をたくさん書いています。

資料は理科ハウスで見ることができるのですが、多くの人に見ていただくことができません。

石原の文章には今でも私たちが学ぶべきことが多く書かれています。

少しずつではありますが充実させていきますのでぜひご活用ください。

子供の実験室 1~14

理科ハウス 森裕美子

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2020年4月11日(木) (NO.950)

休館中だからできること -その5-


「できるだけ大きいミョウバン結晶をつくろう!」

実験マスターのテーマのひとつです。


今、10人ぐらいの人が結晶づくりに取り組んでいます。

昨年の12月ごろから作り始めて、それぞれ2㎝ぐらいまで大きくなったのですが、それから先はあまり変化がありませんでした。

これ以上大きくするのは難しいらしく、

半ば限界を感じていたときに、新型コロナウイルスの感染が広がり休館する事態になってしまったのです。

休館前は、みんな自分の結晶がどれだけ大きくなったかをちょくちょく見にきていたのですが、今はそれもかないません。

冷蔵庫に残された結晶たち・・・。


しかし、この長期にわたる休みを利用して、じっくり育ててみようと思い立ちました。

底にたまった結晶を取り除いたり、

飽和水溶液を足したり、せっせとお手入れをした結果、

な、なんと、3㎝まで大きくなりました!



これにはびっくりです。


みなさんがいない間も、ミョウバン結晶はゆっくり成長し続けています。

時間がたっぷりあることで、見えてきた成長スピード。

これもまた休館中にわかったことのひとつかな。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月8日(水) (NO.949)


今、科学館ができること -その4-


昨日、またまた嬉しいメールをいただきました。

理科ハウスの外看板を見た方から国際宇宙ステーションが見られるという情報を聞いたというのです。


「(空をながめたら)満月と宇宙ステーションが共演しているではありませんか!

もう、感動して感激して何故か涙が…本当に嬉しい出来事でした。

こんな世の中ですが、良い事もあるんだなぁとしみじみ思いました。

お知らせいただき本当にありがとうございました!」


7日のISSは高度が高く、4日間のうち一番見やすかったと思います。

理科ハウスの情報をお友達に伝えてくれた方にも感謝!

感動をどんどん広げていきたいですね。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月7日(火) (NO.948)


今、科学館ができること -その3-


外看板のISS国際宇宙ステーション情報を見た方から「見えました!」というメールをいただきました。

ご家族だけでなく、遠方のご親戚にも連絡して、ISSをご覧になったようです。

「このご時世、暗いニュースばかりの中、夜空を見上げて嬉しくなりました」とのこと。

みなさんと同じ時間に同じ空を見上げていた思うと、

つながった感じがして、あったかい気持ちになりました。

お互いの距離を保ったままのコミュニケ―ション、大成功です!

今晩7日も見えますので、みんなでつながりましょう。

4月7日 18:49(北西)→18:55(南東) 時間はずれることがあります。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年4月4日(土) (NO.947)


今、科学館ができること -その2-


神奈川県から外出自粛要請が出たため、しばらくの間休館します。

新しく作った展示を、みなさんに見ていただくことができず、とても残念です。

人との接触をさけなければならない今、人との対話をなによりも大切にしてきた理科ハウスにとっては最大の試練です。

お互いの距離を保ったまま、コミュニケ―ションするにはどうしたらいいか。

そこで思いついたのが、立看板です。



今日は、国際宇宙ステーション情報を掲載しました。

理科ハウスの前を行き来する方が、足を止めて看板をのぞいています。

中にはスマホで撮影していく人も。

直接おしゃべりはしていないけど、伝わったと感じてうれしくなります!

その他、この休館中を利用して、いろいろなことに取り組んでいこうと思っています。

この日記のページで少しずつ紹介していきますね。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年3月25日(水) (NO.946)


今、科学館ができること -その1-


新型コロナウイルス感染症拡大予防のため、入館者を理科ハウスクラブ会員に限定して開館しています。

人が集まらないようにするための対策で、いたしかたありません。

これまでに経験したことがない状態に、私たちも戸惑いながらの毎日ですが、今はみんなの命を守るのが第一と身を引き締めています。

中高生も、さすがにここまで休みが長くなるとは思っていなかったとぼやきにきます。


そんな最中、科学館にできることは何か。

それは、毎日波のように押し寄せてくるさまざまな情報を整理し、自分たちで判断できるように学び続けることでしょう。

そこで、これだけは知っておきたいと思われるものを、わかりやすい展示にしました。


・もしも、理科ハウスがひとつの細胞だったら。新型コロナウイルスはどれぐらいの大きさ?

・感染する病気BOX

・PCR検査パズル


これらの展示を作ろうと思ったのは、専門家の言うことをうのみにするのではなく、自分たちも基本的なことから知りたいと思ったからです。

先日は、医学部の学生さんといっしょに、感染症のこと、PCR検査の方法につい学びあいました。

たいへん勉強になりました。

これらの展示を、たくさんの方に見ていただきたいのですが、

今は、それもかないません。

なんだか矛盾するようでモヤモヤしますが、

理科ハウスは、学び続けていますよ!ということだけを発信しておきます。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年3月18日(水) (NO.945)


池子川で縄文時代の貝化石発見!


理科ハウス入り口の「小さな化石展」。

ここに新しい化石が仲間入りしました!

縄文時代の貝化石です。


先日、葉山しおさい博物館の倉持先生と池子川のシジミ調査をしていた折、偶然発見されたものです。

倉持先生によると、この貝はカモノアシガキという二枚貝で、

現在の南関東には生息していない熱帯種だとのこと。


この貝がこのあたりに生息していた年代は約6500~4200年前ですから、

三浦半島が現在の南九州ほどの温暖な環境だったことがわかります。

そして、縄文時代には池子のあたりまで海が侵入していたということになります。

池子がまだ浅い海だった様子を脳内でイメージしてみてください。波の音が聞こえてきそうですね。


小さい貝ですが、教えてくれることはたくさん!

理科ハウスの前を通りかかったら、ぜひのぞいてみてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年3月14日(土) (NO.944)


月曜日からゆるりと開館


雪もぱらつく静かな土曜日です。

本来なら開館しているところですが、

新型コロナウイルスの感染拡大を押さえるために休館しています。

開館は16日からで、利用していただけるのは、当面の間、理科ハウスクラブの会員のみです。

こんな事態は私も初めての経験です。

地球が狭くなったので、ウイルスとの戦いはこれから何度も起きるでしょう。

普段から感染症にかからないような注意が必要ですね。

早くワクチンや治療薬ができることを祈るばかりです。

理科ハウス 森裕美子

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2020年3月11日(水) (NO.943)


天王星観察


ここのところ、毎日夕方になると空をながめています。

なぜかというと、天王星が見つけやすくなっているからです。

天体に詳しい秋元さんから「天王星を見ました!」という連絡と、バッチリ写っている写真が送られてきました。

屋上に寄贈していただいた大きな双眼鏡を出して、三脚に乗せ天王星を探しました。

6等星くらいの明るさしかない天王星はよーく見ないと他の星と間違えてしまいます。

あらかじめ調べておいた星の配置を何度も確認して、やっと見つけました!

自分で見つけられて感動です!

秋元さんのアドバイスがなかったらあきらめていたかもしれません。

秋元さん、ありがとうございました!

理科ハウス 森裕美子

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2020年3月3日(火) (NO.942)


プラネタリウムを終えて


昨日でプラネタリウムはおしまいです。

ドームの解体はいつものことですが、ちょっと寂しいです。


今年のプラネタリウムは解説時間を決めずに行い、来館者がたった一人でも行いました。

そして新しい試みをふたつしました。

ひとつは「プラネタリウム問診票」を書いてもらったことです。



上弦の月と下弦の月の違いがあいまいだったことに気づいたり、

自分がまだ見ていない星を見るのを目標にしてみようと思ったり、

いいきっかけになったようでした。

これを書いてもらうと星への興味の度合いが手に取るようにわかります。

そのおかげでドームの中の解説がとてもやりやすくなりました。

もうひとつは宇宙クイズをやったことです。

そのためのアイテムがこれ。


押すと「ピンポーン」と音がして札が立ちます。

これは盛り上がりました!


宇宙の知識は覚えるのがなかなか大変。

でもクイズで競争したり、何度も繰り返すうちに覚えてしまいます。

問題を作ってくれた中学生もいました。


あっという間の2カ月間でしたが、水星を見るチャンスも得られ楽しい時間でした。

3月8日には天王星が金星のすぐそばに来るようです。

これも見てみたいですね。

理科ハウス 森裕美子

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2020年2月21日(金) (NO.941)


理科ハウスで新鮮体験!


先日、久しぶりにFくんがやってきました。

Fくんは現在大学3年生。理科ハウスができた2008年からのお付き合いです。

現在の理科ハウスは、以前と比べるとずいぶん内容が変っていますが、昔から人気のあるものは今でも展示しています。

Fくんは小・中学生だったときに体験した展示を見て、「これ、苦手だったんだよなあ」となつかしがっていました。

そして、今になってみると展示がすごく新鮮に見える、というのです。


これは、Kくんが成長したことの証なのではないでしょうか。

体験と知識が深まってくると、同じものも違う角度で見ることができるようになります。

科学館は小さな子どもがいくところと思われがちですが、実は成長した大人が楽しめるものがいっぱい詰まったところなのです。

Fくんの言葉はそのことを如実に語っています。

大人になった今こそ、科学館で新鮮体験をしてもらいたいと思っています。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年2月14日(金) (NO.940)


逗子市内で初!コオイムシを発見


2017年9月のこと、逗子中に通うKくんが、校内でコオイムシを発見しました。

Kくんは、コオイムシを筆箱に入れて持ち帰り、飼育することにしました。

調べてみると、逗子市内でコオイムシが確認された記録はなく、今回が初めてということがわかりました。

その後、Kくんは自宅で飼育を続け、なんと1年8カ月も生き延びらせることができたのです。

彼から飼育状況を聞くたびに、これはきちんとした形で報告した方がいいのではないかと思い、論文を執筆してみないかと持ちかけました。

中学生が論文を書くとなると、かなりハードルが高いように思います。

しかし、それだけの価値のある発見だと思いました。

Kくんは「チャレンジしたい!」と積極的に取り組みました。2019年3月のことでした。


論文の書き方については、昆虫画家で研究者でもある川島逸郎さんにご指導いただきました。

Kくんは理科ハウスに何回も通い、とうとう論文を書き上げました!

できあがった論文は、他にまったく引けをとらないしっかりした内容になりました。

掲載誌は、三浦半島昆虫研究会が発行する『かまくらちょう』No.96号です。

理科ハウスに置いてありますので、ぜひご覧になってください。


理科ハウスでは、中高生の調査・研究を専門誌に掲載するサポートを行っています。

論文を書いてみたいという中高生は、ぜひご相談ください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年2月9日(日) (NO.939)


かわいじゅんこさんのプラネタリウム


今日は、プラネタリウムプランナー 、 かわいじゅんこさんが来てくれました。

当初、4回の投影を予定していたところ、申込みがあふれてしまい、結局6回もやっていただきました。

今回は小学生も体験OKということで、

小学生とその家族というグループが多かったのですが、

最終回には逗子市役所緑政課の方、池子の森自然公園緑地のボランティアさんも参加してくださいました。

たくさんのご参加本当にありがとうございました。


それぞれが、ドームの中にワクワクしながら入っていく姿が印象的でした。

暗闇の中にパッと星が見えると「わー! きれい!」の歓声がこぼれます。

解説をしっかり聞くと空を眺めたくなりますね。

ちょうど暗くなった頃、水星が見えていたので屋上に上がって見ました。

雲がなく、ラッキーでした。


かわいさんは「宙の学校」の校長先生。

移動式プラネタリウムはもちろん、望遠鏡を作るなどのワークショップやイベントの企画もしてくれますよ。

お問い合わせはこちらまで。宙の学校

かわいさん、ありがとうございました!

理科ハウス 森裕美子

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2020年2月6日(木) (NO.938)


屋上で水星観察


今日は朝から寒さが厳しい一日でした。

午後5時半頃、雲もなく晴れていたので、金星がよく見えるはず!と思って屋上に上がってみました。

まだそれほど暗くなっていませんでしたが、きれいな金星が見えました。

「そうだ、もしかして水星も見えるんじゃなかったっけ」と思って国立天文台のホームページで『今日の星空』を調べたら、金星の右下に水星がありました。

太陽系の8個の惑星のうち最も太陽に近いところにある水星。

目を凝らして見つけました! 暗くなるまで待っていたら屋根にかくれて見えなくなるところでした。

ラッキーでした!

見るチャンスは今です!

ぜひトライしてみてください。

理科ハウス 森裕美子

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2020年2月5日(水) (NO.937)


N中科学部はみんな仲良し


今日は、N中の科学部のメンバーがやってきました。

みんな理科ハウスのプラネタリウムは初めてとのことで、ドームに潜り込んでいくところから興奮気味です。

恒例のピンポン早押しクイズ大会で、小手調べ。

わからないことがあっても、ぜんぜん大丈夫!

今から理解を深めていけばいいんです。

早押しクイズが楽しかったのか、「もっとやりたい!」と中学生。

クイズは他にもたくさん用意していますので、またやりましょう。

投影中には、ポインターを生徒さんに渡して、自分たちで星を見つけてもらいました。

この方法、こちらで説明するよりもずっと学習効果があるんですよ。


その後、時間ギリギリまで、過冷却実験をして楽しみました。

メンバー全員が科学大好き(あたりまえか)なので、館内のどこを見ても楽しんでくれる!嬉しいですね。

続きの実験をしに、また遊びにきてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年1月27日(月) (NO.936)


もしもトイレがひとつの細胞だったら? 新型コロナウイルスを探そう


新型コロナウイルスによる感染症が猛威をふるっています。

ウイルスに感染しないようにするには、正しい知識とそれに基づいた予防行動が大切です。


理科ハウスにあるふたつのトイレが、植物細胞と動物細胞になっていることはみなさんご存じかと思いますが、

このたび、動物細胞の方にコロナウイルスを展示してみました。

もちろん、イラストですよ!

ヒトの平均的な細胞の大きさに対して、同じ倍率で描いてあるので、ちょっと見つけにくいかもしれません。

どこに潜んでいるか、探してみてください。

その小ささにびっくりするはずです。

動物細胞トイレには、すでにインフルエンザウイルスやエボラウイルスなども展示されていますから、それらと比較してみるのもいいでしょう。

そして、一体ウイルスはどうやって細胞に侵入するのか、          

細胞の中でなにをやっているのかを知り、感染予防行動につなげていけたらと思います。

理科ハウス 山浦安曇


ドアを開けると・・・

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2020年1月25日(土) (NO.935)


科学部でプラネタリウム


今日は、Y中学校科学部のみなさんが、理科ハウスをプラネリウムを見にきてくれました。

星を投影する前に、まずはクイズ大会でウオーミングアップ。

クイズで自分がよくわかっていなかったところが認識できると、プラネタリウムを見る姿勢がちがってくるんですよね。

そして、真っ暗なドームの中では、他の人の表情や反応を気にするがありませんから、ふしぎと気持ちがオープンになります。

わいわいおしゃべりしながら天体の話ができるのも、理科ハウスドームの特徴です。


また、科学部のみなさんには、理科ハウスが用意した実験ショーも体験してもらいました。

このコーナーは、実験テーブルがホワイトボードで囲まれています。

自分の考えをすぐに書きて説明できるようにするためです。

科学部のみなさんは、日頃から議論になれているのでしょうか、あっという間にホワイトボードが図で埋め尽くされました。

さまざまな考えが出た後では、実験結果を見つめる目が輝いています!

部員も先生もそして私たちも、存分に実験を楽しみました。


中高の科学部のみなさん、議論の場としてぜひ理科ハウスをご利用ください。

*貸切で利用することもできます。お問合せください。

理科ハウス 山浦安曇

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2020年1月20日(月) (NO.934)


あなただけのためのプラネタリウム


ホームページの案内にはプラネタリウムの解説時間が14時、16時と開始時間が一応書いてありますが、

特に時間が決まっているわけではありません。

今年はプラネタリウムを展示のひとつと考え、興味のある方それぞれにあわせて解説を行っています。

ですから、一家族だけ、友達同士だけで解説を聞くと言うのが普通になっています。

先週の13日には、5回の解説を行いました。

聞く人が違うので、中身を全部変えています。

そして、同じ方が2回目以降に来た時も、別のテーマで話をしています。

みなさんとても満足して、おもしろかったと言ってくださいます。

他の方に遠慮することなく、おしゃべりできるので会話もはずみます。


こうやってみると、いままで、なぜ開始時間にこだわっていたのかと思ってしまいます。

これがうまくできているのは、理科ハウスの対象年齢を高く設定したことも無関係ではありません。

中高生が居心地がいいなあと思ってくれる科学館を目指して、さらに模索したいと思っています。

理科ハウス 森裕美子

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2020年1月8日(水) (NO.933)


プラネタリウム2020 始まりました!


今年、初日の来館者は中学生が7人で、うれしいスタートとなりました。

玄関入り口も骨コレクションから化石コレクションに。



そして、メイン展示は「プラネタリウム」です。


やってきた中学2年生の4人グループは、学祭でプラネタリウムを作り、解説もしているとのこと。

理科ハウスのドームを参考にしようと見学に来たのです。

ドームの中に入って、解説の様子を話してくれたり、工夫しているところを教えてもらいました。

同じ経験をしている者同士で、互いに情報交換できてとても楽しい時間でした。

プラネタリウムは3月2日までやっています。

スケジュールを見て開館日を必ずチェックしてからご来館ください。


逗子市内の中学生には学校経由でチラシを配布させていただくことにしました。

チラシを作る費用は昨年「ずし呑み」実行委員会さんから頂いた寄付(日記№923)を使わせていただきまた。

いままで余裕がなかったのでチラシの配布はしたことがなかったのです。

初めての試みで反響があるかどうかはわからないのですが、逗子市内の中学生に理科ハウスがあるよと伝えることができそうです。

ちょっとでも時間があいたら、のぞきに来てください。

理科ハウス 森裕美子

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2020年1月1日(木) (NO.933)


明けましておめでとうございます


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