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理科ハウスで起こるさまざまなできごと。

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2019年12月26日(木) (NO.932)


日食観察


12月26日に日食が起こることは、理科ハウスではみなさんにお知らせしていました。

天気予報はあいにくの曇りのち雨。

日食グラスを用意して待っていると、中学生がやってきました。

「今日は無理かもしれないね」「うーん」

どんよりした空をみあげながら、半ばあきらめかけていると、なんと2時45分ぐらいに太陽の光がさしてきました!

大急ぎで屋上に駆け上がり、日食グラスで観察!

「欠けてる!欠けてる!」

決して見えない新月が、「そこ」にいることを実感することができます。

あきらめないで本当に良かった。

天気に左右される天体観察。

だからこそ、チャンスは逃したくないですね。

次回は、2020年6月21日。

その次は、2023年4月に沖縄周辺でかすめる程度の部分日食があるだけで、2030年6月の金環日食まで見られません。

理科ハウス 山浦安曇


日食グラスごしに撮影(理科ハウスの屋上にて/15時ごろ)



横浜にお住いの石川先生から画像を送っていただきました。撮影:石川隆氏(横浜市緑区/14時45分ごろ)

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2019年12月22日(日) (NO.931)


クリスマスレクチャー「ろうそくの科学」2019


今年もクリスマスレクチャーの時期がやってきました。

ファラデーの「ろうそくの科学」は本になっており、

2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんが、科学の道に進むきっかけとなった本とのことで、今ちょっとしたブームになっています。



理科ハウスでは毎年、12月に「ろうそくの科学」実験ショーを行っていますが、

今年は少し趣向を変えて、私が実験をして見せるのではなく、参加者のみなさんに実験をやってもらうことにしました。



集まったのは、中学生と教員と大人の方々。

ろうそくに火をつけるのも、電気分解するのも、すべて自分たちでやります。

化学変化を間近で確認することができて、みんな大満足。

時間オーバーで、ろうそくの科学を楽しみました。


そして、最後のシメは毎年恒例「館長のろうそくの科学」。


館長のビックリ実験に、一同大爆笑。もはや「芸」といってもいいでしょう。

一年の最期を、実験と笑いで終わらせることができ、とてもうれしいです。

翌日も中学生が訪れて、炎の復活や炎色反応を楽しみました。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年12月14日(日) (NO.930)


お吸い物にするのは?


ここにある3種類のシジミのうち、お吸い物に入れるシジミはどれでしょう?

と言われても、さっぱり区別がつきませんねー。

このうち2種は近所に流れている池子川から採取したタイワンシジミとマシジミ、1種はスーパーで購入したヤマトシジミです。


見分け方を教えてくれたのは、学芸員実習生のHさん。

Hさんは、ウニ(日記No.928)の他にも、シジミも飼っているとのことで、急遽「シジミ」コーナーを作ってもらいました。


シジミ類の見分け方は、外面のつややライン(輪助間)の幅、そして、内面の色合いです。

違いといっても、ほんのわずか。貝の見分けは難しい!


実は、全国各地の河川では外来種のタイワンシジミが増えており、在来種のマシジミは減少しています。

神奈川県内でもマシジミの生息は極めて少ないとされている中、池子川上流には、現在もマシジミが生息しています。

池子の森の自然環境を特徴づけるマシジミ。ジミだけど、大事にしたいですね。

見分けられるといとおしくなりますよ。ぜひ見分けにきてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年12月8日(日) (NO.929)


生木のクリスマスリース


今年も、Tさんから生木のクリスマスリースが届きました。

Tさんは、ご実家で採取したモミの枝で本格的なリースを作り、毎年理科ハウスに持ってきてくださるのです。

Tさんとは理科ハウスがスタートした2008年からのおつきあい。

いつも温かく理科ハウスを見守ってくださり、本当にうれしいです!

入り口を通過するたびに、針葉樹のいい香りが漂ってきて、私たちを元気づけてくれます。

Tさん、ありがとうございます!

リースをかけたら、理科ハウスは一気にクリスマスムードに!

毎年恒例のクリスマスレクチャー「ろうそくの科学」(12/22)にピッタリの飾り付けができました。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年12月5日(木) (NO.928)


学芸員実習中


今、学芸員資格取得のために、理科ハウスで実習しているHさん。

Hさんは、自宅でタコノマクラ(ウニのなかま)を飼育したこともあるほどの海洋生物好き。

自分で集めた殻のコレクションを並べて、展示コーナーを作ってくれました。


ただ置いてあるだけなのに、その不思議な形にひかれてついついのぞき込んでしまいます。

一見似ているようだけど、よく見ると違うところがある!

この孔はいったい何?

そもそも何でこの形?

気になる人は、ぜひHさんの話を聞きにきてください。

Hさんの実習日は、7日(土)、12日(木)、14日(土)の3日間です。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年12月5日(木) (NO.927)


とうとう出会えました!


理科ハウスのスカイデッキには、雲を観察するコーナーがあります。

理科ハウスのオリジナルグッズ「もくもくカレンダーシール」を使って、毎日欠かさず雲の記録をつけています。

年間続けて観察していると、気づくことがあります。

巻積雲が出ない、巻積雲のシールだけが余る・・・。

十種雲形のうち、巻積雲は現れてはすぐ消えてしまうので、室内にいると見過ごしてしまうことが多いのです。


その巻積雲が、今日は空いっぱいに広がって、見事なうろこ模様をつけていました。


うわ~ひさしぶり、うろこ雲!と思っていると・・・

ぽっかり穴があいているエリアを発見!

もしや、これが穴あき雲?

以前から指導していただいている気象予報士の武田康男先生が、「巻積雲の中に小さな氷の粒からできた巻雲が現れると、氷の粒が落下しそこに穴ができるんだよ。めったに見れないけどね」と教えてくれたのです。

それ以来、穴開き雲が見たくて、空を見上げて続けて早2年。

とうとう出会えました!

地味な観察も長く続けていると、いいことがあるんですね。


穴開き雲がちょうど太陽を横切り、太陽との角度が22度ぐらい離れたところで、穴の中央に幻日が現れました!

お、おーっ!


きっと多くの人が、同じ時間帯に穴開き雲と幻日を見て、歓声を上げていたに違いありません。

でも、何年も続けて観察している私にとっては、一生に一度と言ってもいいくらいの、出会いだったのです。

やっててよかった「もくもくシール」!

今日から、あなたもやってみませんか?もくもくシールの購入はこちら(笑)!

理科ハウス 山浦安曇

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2019年12月2日(月) (NO.926)


激レアさんがやってきた!@大阪


11月30日と12月1日は大阪に行っていました。

全国科学教育ボランティア研究会に参加するためです。

今年は発表もしました。

題して「激レアさんがやってきた!


理科ハウスのリニューアルの理由。

新しくなった理科ハウスはいままでと何が違うのか。

どういう思いでやってるのか。

困っていることは何か。

などをお話ししました。


科学ボランティアで理科実験やワークショッブをやっておられる方々ならきっと同じような悩みを持っておられると思いました。

最後には「ワンダーサイエンスをもっと中高生にも!」でしめくくりました。

とても興味深く聞いていただき、大阪まで出かけてよかったなと思っています。

実行委員の方々には大変お世話になりました。

ありがとうございました。

理科ハウス 森裕美子

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2019年11月25日(月) (NO.925)


出会いをつくったサイエンスアゴラ2019


先週の16日はお台場まで行き、サイエンスアゴラ2019を覗いてきました。

過去には何度か出展していたこともありましたが、最近は見る人になっています。

歩き回っていると、テレビで見る有名な研究者に会えたり、

久しぶりにお会いできた方などいて、この祭典はやはり欠かせません。


理科ハウスで「未来の研究者展」をやっていることもあって、

JST主催のジュニアドクター育成塾が気になりました。

たくさん並んだ研究発表ポスターの前に立って一生懸命解説している小学生や中学生たち、

指導にあたった先生方、審査をしている先生方で

熱気あふれるスペースになっていました。


私も気になるテーマを見つけては発表者に声をかけました。

すると、後日その発表者さんからメールが届いたのです。

中3の彼は、ストームグラス(天気菅)についての研究で、樟脳の結晶のできかたと天気の関係を探っていました。

会場で、私の家にある市販のストームグラスの液が黄色くなってしまった話をしたのでした。

その事が気になってのメールでした。


何度かメールでやり取りしたあと、そのストームグラスを彼に届けることにしました。

このあとの研究に役にたてばうれしいなと思いますが、それよりも彼の熱心さに心打たれました。

こんな出会いを作ってくれたサイエンスアゴラに感謝‼

理科ハウス 森裕美子

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2019年11月18日(月) (NO.924)


自由研究展レポート


現在開催中の逗子中学校生徒による自由研究展。

大学生、高校生、研究者、元化学の先生、元理系の社会人さん、学芸員実習生など、たくさんの方がご来館になってレポートをふむふむとのぞいています。


そして、「ここが良かった」「発想がいいね!」「ここはこうしたら?」など、さまざまなコメントを寄せてくださっています。


ひとつのレポートにこんなにたくさん!うれしいですね。

「中学生でここまでできるなんてすごい」なんてのも!

研究者や元教員の方からは、専門的なアドバイスもいただいています。

レポートと感想を合わせて、読むのも楽しいですよ。

さらに、「ほんとうに実験結果はこうなるのかなあ」と思ったら、その場で再現実験も行っています。


あれ?違う結果になっちゃった。なんで~?」ってことも。

これはこれで、次の自由研究のテーマになりますね!

研究は一回だけで終わるものではないってこと。やればやるほど次の不思議が生まれてくる。ここからが本当の自由研究かも。


自由研究展は、11月27日(水)まで。

中高生はもちろん、大人もぜひ見にきてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年11月2日(土) (NO.923)


「ずし呑み」実行委員から寄付


なんと、5万円の寄付をいただきました!

ありがとうございます。

くださったのは、「ずし呑み」を主催している実行委員会です。

「ずし呑み」とは、逗子市内の飲食店やスーパーなどが参加して行われた、はしご酒イベント。

チケットの売り上げのうち約4パーセントを寄付にと、初めから決めておられたそうです。

前回のずし呑みでは、福祉関係に、そして今回は教育関係にと。

ずし呑みチケットを使うと社会貢献にもつながるわけです。素敵なしくみですね!


贈呈式は理科ハウス内で行われました。

この様子は13日水曜日にJ:COM デイリーニュース(17:00~)の中で放送されます。

また、13日が過ぎても、スマホアプリ「ど・ろーかる」で視聴できます。(J:COM湘南 鎌倉局)

是非ご覧ください。

逗子葉山経済新聞の記事にも詳しく書かれているので、読んでみてください。

理科ハウス 森裕美子

11月11日11時11分に行われた贈呈式。寄付をいただいたのは、CoCoLoの会、まなび舎ボート、理科ハウス。ブルーのジャケットは、ずし呑み実行委員の方々。

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2019年11月2日(土) (NO.922)


未来の研究者を探せ!


逗子市立逗子中学校の生徒による自由研究レポート展が始まりました。

逗子中では、毎年夏休みの宿題として全校生徒に自由研究が課せられます。

その中から学校で選ばれた23点を、学校内だけではなく、町の人たちに見てもらいたいと思い展示を企画しました。


ただ並べてあるだけではありません。再現実験ができるように、実験道具も用意しました。

気になるレポートがあったら、本当にこうなるのかすぐにやってみることができますよ。


他の中学校の生徒さんにとっては、同じ年の中学生がどんなやり方(書き方)をしているのか参考になるでしょうし、

大人の方にとっても、今の中学生がどんなことに興味を持っているのかを知る機会になるでしょう。

今日、訪れてくださった方は、レポートを丁寧にご覧になり、ひとつひとつに感想を寄せてくれました。

レポートの書き方から判断して、「将来、科学者になれそうな人」も選んでくれましたよ。

これは中学生の励みになりますね!


並べておくだけではない、一歩進んだレポート展。

レポートを書いたご本人やおうちの方はもちろん、逗子中に通っていない中高生、来年中学生になる6年生、子育てが終わったおとなたち、教育現場の方々など、多くの市民のみなさんに見ていただきたいです。

「未来の研究者展」は、11月27日まで開催しています。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年10月30日(水) (NO.921)


高校生インタビュー


10月28日と30日の2日にわたって、県立逗子高校の生徒さんが理科ハウスを取材に訪れました。

逗子高校が地域連携教育の一環として行っている活動です。

「なぜ科学館をやろうと思ったのですか」

「お仕事で一番大変なことはなんですか」

「仕事をしていてよかったと思うのはどんなときですか」

「なぜ科学が大切なのですか」などの質問を受けました。


みなさん、理科ハウスに来るのが今回初めてで、しかも近年は他の科学館にも行ったことがないとのことで、

質問をするのも大変だったと思います。

それでも、たくさんのインタビューリストの中から理科ハウスを選んだのは、「ウェブサイトを見ておもしろそうだと思ったから」とのこと。

とにかく理科ハウスの展示を見た方が話は早い、と取材もそこそこに展示体験してもらいました。

生物進化、ノーベル賞クイズ、どれも高校生にピッタリの内容です。

科学館は小さい子どもの行くところ、と思った人はちょっとびっくりしたかもしれません。


中でも一番食いついたのが、ホワイトボードに書かれた相対論の問題。

やってみたい!と思うところが素晴らしいですね。

高校生と光の速さと時間のずれについて議論できて、こちらも楽しかったです。

高校生の入館料は、現在100円ですが、そのうちに無料にする予定です。

高校生にも気軽に利用してもらいたいです。

理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

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2019年10月20日(日) (NO.920)


恒例!ガレージセール


秋晴れの一日、今日は市民まつりの日です。

理科ハウスでも、毎年恒例になっているカレージセールを駐車場で行いました。

出品したのは新本、古本、細い試験管、黒板などでした。

手伝ってくれたのは「理科ハウスクラブ」のメンバーたち。

物を運んだり、値札を作ってくれたり、売り方を考えてくれたりしました。



学校も学年もバラバラなメンバーですが、理科ハウスで何度か会っているせいか、すごく親しくなってる様子。

理科ハウスクラブはいつでも登録できますので興味のある方はご連絡ください。


ガレージセールには、たくさんの方が立ち寄ってくださいました。

理科ハウスのことを知らない人にも知ってもらえるよい機会になっています。

理科ハウス 森裕美子

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2019年10月16日(水) (NO.919)


学芸員実習中です


新しくなった理科ハウスに、学芸員実習を希望する学生さんが次から次へとやってきます。

8月~9月は、T大のUさん。

専攻は物理学。日常の物理現象を取り上げて、解説してくれました。


10月は、K大のKさん。

専攻は数理物理学。数学者の歴史を紙芝居にして紹介しています。


実習生みな、自分がおもしろいっ!と思うところを、どうやったらわかりやすく伝えることができるか、試行錯誤しています。

自分より年齢の上のかたに解説をするのに躊躇したり、予想外の質問が出てあたふたしたり、苦労は絶えませんが、

科学(数学)対話が弾んだときの楽しさは格別です。

たくさんの方と接して、学芸員としての資質を高めていってほしいです。


Kさんの実習は、残り2日10/19と10/20です。

学生さんの解説をぜひ聞きにきてください。

11月も、別の実習生が来ますよ。お楽しみに!

理科ハウス 山浦安曇

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2019年10月15日(火) (NO.918)


ノーベル賞をもっと身近に!


10月はノーベル賞の季節。

今年もノーベル賞を分かりやすく紹介するコーナーを作りました。

どんな業績で受賞したのか、どんな道のりをたどってきたのか、具体的にどんな研究だったのか、知りたいですよね!

でも、受賞理由を理解するためには、その前段階の基礎知識が必要です。


理科ハウスでは、理解の手助けとなるキーワードを、各受賞分野ごとにクイズで紹介しています。

「そういうことだったんだ!」と、より身近に感じてもらえたら嬉しいです。

中高生にはもちろん、大人の方にもチャレンジしてもらいたいです。

ひとつひとつのクイズが「実験」になっているので、楽しいですよ!

期間限定の展示をぜひ体験しにきてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年9月27日(金) (NO.917)


屋上で観望会


今日は逗子の花火大会。

実は、理科ハウスの屋上から見えるんです。

そうだ!屋上あがりついでに観望会もやっちゃおう!

花火鑑賞の後に星空観察という極上の夜を楽しもうというわけです。


花火と木星を同時に観察することもできました。(秋元氏撮影)

なんて贅沢なんでしょう。


中学生が、音と光の時間差から、花火の打ち上げ場所までの距離を計算してくれました。

こんな場面が理科ハウスっぽいです。


時々雲が空を覆い、すっかり見えなくなる時間もありましたが、

木星(ガリレオ衛星も縞々模様も!)、土星(輪もくっきり)、夏の大三角、フォーマルハウト(みなみのうお座)、カシオペア座、北極星などを見ることができました。

最初、曇天であきらめかけていた観望会ですが、秋元さんが天体望遠鏡を持ってきてくだり解説までしてくださったおかげで、大満足の観望会になりました。


秋元さん、ありがとうございました。

花火と星見、なかなかいい組み合わせなので、またやりたいと思います。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年9月16日(月・祝) (NO.916)


サイエンスレクチャー「アインシュタインはなぜアインシュタインなのか」 金子務先生


今日の金子務先生のお話は「格調高い話を聞き、哲学する時間を過ごす」そんな体験でした。

といっても、すごく難しいお話だったわけではありません。

アインシュタインにまつわるエピソードの連続です。


なぜ金子先生がアインシュタインに魅せられたのか、

それはアインシュタインが自分のことを考えずに「NO」と言える人だったから。

誰しも判断基準が自分中心になってしまうのに。


金子先生は、アインシュタインのことを調べようと、アメリカのプリンストンに行き、その次には資料の送り先であったヘブライ大学に何度も足を運び、手紙や日記など多くの資料に目を通したそうです。


本日のレクチャーのメインテーマは、アインシュタインの青春時代までの人となりや、何に影響を受けたのかなどでした。

4才の時にもらった方位磁針に感動して体が震えたこと。

12才ではユークリッド幾何学に感動したこと。

16才のときの光の速さについての思考実験。

伯父さんから受けた影響や大学に入学するときのエピソードなど、

貴重な写真を見せていただきながら、語ってくださいました。


今回のサイエンスレクチャーではあらかじめ参加者の方からたくさんの質問を寄せていただいていました。

最初に結婚したミレーバについて。

アインシュタインが1905年に出した相対性理論の論文にどのくらい彼女が関わっていたのか、ということ。

「ミレーバを含む友人達と勉強会などやっていたこと、

しっかり者のミレーバが計算はやっていただろうが、論文が共著になっているのかどうかはわからない」


アインシュタインは神の存在についてどう考えていたか。

「神はいる。しかし私の言う神は、イエスやエホバやアッラーなど宗派にはそれぞれ神がいるが、それではない。それらは枝葉のようなものであって本当の神は「真理」である」


その他にも、

相対性理論の「相対性」は他の言葉のほうがよかったのでは?

アインシュタインは「神はサイコロをふらない」と言ったそうですが、どういう意味で言ったのか。

など次々と出る質問に丁寧に答えてくださいました。

知の巨人との哲学対話、なんてぜいたくな時間なのでしょう!

人生長く生きていても、こんな味わい深い時間を過ごせることはめったにありません。

終わった後も、「どうして人間は自然が理解できるのか」

「科学的探究における帰納法と演繹法について」など参加者同士で議論がわき起こりました。


日本に来たときの様子について話が聞きたいというリクエストもありました。

金子先生は続きの約束をしてくださったので、今回参加できなかった方は是非楽しみにしていてください。

先生、奥深い時間をありがとうございました!


理科ハウスでは、レクチャーを企画するにあたり、相対性理論や光電効果などを理解する展示を作りました。

ご興味のある方は、お立ち寄りください。

理科ハウス 森裕美子

お話の中に登場する人物がわかるように、顔のペープサートを用意!

ティータイムのお菓子は、アインシュタインが好きだったというグミ。右は、舌出し用のベログミです。

ベイビーズブレスさんの奇抜なアイディアに脱帽!


はんこ職人さんのアインシュタインはんこ。シールに押してお持ちかえりいただきました。

職人Kさん、いつもありがとうございます。

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2019年9月12日(木) (NO.915)


小さな骨展


エントランスの展示を衣替えしました!

今度のテーマは「骨」です。

理科ハウス所蔵の骨の標本をずらりと並べてみました。

例によって何の骨かはあえて表示していません。

その代わりに、「イヌはどれ?」「カラスは?」と問いかけています。

よく見ると、似ているようでも頭骨のてっぺんの形や歯の形などが違いますね。


エントランスのミニ展示は、外から丸見えなので、通りがかりの方もよく立ち止まってのぞいています。

「これはひょっとして・・・かな?」と想像してみるのも楽しいですよ。

少しだけなら触るのもOK。

もちろん、入館した方には答えをお教えしています!

見れば見るほど美しい骨展示、ぜひのぞきにきてください。

理科ハウス 山浦安曇


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2019年9月9日(月) (NO.914)


羽アリの観察


台風15号の翌日、家の中にたくさんの羽アリが入ってきました。

そのはんぱない数にぞっとして、すぐにガムテープを持って立ち向かったのですが・・・。

ちょっと待って!これは何アリ?

先日の「ありウオッチング」ですっかりアリに魅了されている私は、アリの種類が気になってしかたありません。


早速、捕獲して調べたところ、「キイロシリアゲアリ」ということが分かりました。

キイロシリアゲアリは、「9月の夕方に結婚飛行が行われる」とあります。

おお!ぴったりではありませんか。

交尾のためだけに生まれたきた、キイロシリアゲアリのオスの大群だったのです。

同じ日にあちこちで発生するというのも不思議でなりません。お、おもしろい!


もっと不思議なのは、あれほど嫌だった羽アリの種類を調べたいと思っている自分です。

いつもなら、見た瞬間にガムテープで抹殺しているところなのに。

こんなふうに私を変えたのは、女王アリををはじめて見せてくれたNくんのおかげです。

Nくんがいなかったら、アリに興味を持つことはなかったでしょう。

アリをめぐって、昨年と今年の羽アリに対する自分の行動が180度変わってしまいました。

世界が広がるって、こういうことですね。

みなさんも、羽アリを見つけたら種類を調べてみませんか。

理科ハウス 山浦安曇

増えつつあるアリの標本。理科ハウス内で展示中。

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2019年8月28日(水) (NO.913)


タイワンリスの剥製づくりワークショップ


剥製作りをやりたい人が少なからずいるってことにびっくりです。

定員5名の募集もすぐに埋まり、キャンセル待ちの方が出るほどでした。


講師は、NPO三浦半島生物多様性保全代表の天白牧夫さん。

理科ハウス所蔵の剥製も天白さんの作品です。

天白さんは、柴田敏隆先生に剥製の作り方を教えてもらったのが高校生の時、それから独学で技術を習得していったそうです。


剥製って内臓を取り除いて作ると思われているけど、

そうじゃなくて、全身タイツを脱がせて、マネキンにタイツを着せる感じなんですと天白さん。

いったいどういうことでしょう。

それは、やってみて初めてわかりました。

毛皮の真下を丁寧にぐるりと削いでいくのです。だから、血はほどんど出ません。

皮を傷つけないように細心の注意を払いながら、メスを小刻みに動かしていきます。ここまでで3時間もかかってしまいました。


次にはさらに大仕事が待っていました。発泡スチロールで皮にピッタリのボディをつくることです。

大きすぎても小さくてもだめなのです。

足の肉付けは脱脂綿を使いますが、これもなかなか難しい。

そして、足をボディにつける位置が少しでもずれると、リスの皮をかぶっていてもリスには見えなくなってしまいます。

剥製づくりは、その動物の体のつくりや生態を知り尽くしていないとできない作業だということがよくわかりました。



どれも初めて経験することばかりなので、みんなくたくたになったようです。

でもあきらめずに最後までやりきり、完成したときにはなんとも言えない達成感に浸ることができました。

かかった時間は、なんと8時間!

これはもはや修行のレベル!

一人一人に手をかけて丁寧に教えてくれた天白さん、本当にありがとうございました!

理科ハウス 森裕美子/山浦安曇


(行政の依頼で外来生物駆除で捕獲したタイワンリス(クリハラリス)を使用しました)

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2019年8月22日(木) (NO.912)


サイエンスキャンパス第三弾 鎌倉学園中学校


7月25日の横浜栄高校サイエンス部、8月1日の三浦学苑数学同好会に続き、第三弾鎌倉学園中学校科学部によるサイエンスキャンパスを行いました。

今年は部員の数が少なくなったとのこと。

そんな状況でも、質を落とさないところが鎌学科学部のすごいところです。

先輩から引き継いだ数々の実験を、部員が手分けして紹介してくれました。


1年生による超簡単モーター



2年生による手描きホログラム



光通信の実験



そして、12時と3時に、アルコールロケットと粉塵爆発の実験ショー。



実験後、上級生がパワーポイントを使って解説します。慣れていますね。かっこいいです。



初めて「サイエンスキャンパス」を体験した元小学校の先生は、「中学生と直接理科の話ができる貴重な機会。とっても楽しい!こういう場があることをもっとたくさんの人に知らせたい!」とおっしゃっていました。

来年は、いくつかの学校で合同でやれたらいいな、と思っています。

理科ハウスで科学部の活動を発表したいという中学校・高校がありましたら、ご連絡ください。エントリーお待ちしています。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年8月15日(木) (NO.911)


毎日新聞「今どきサイエンス」


今日の毎日新聞の『科学の森』のページ、毎月一回掲載される鴨志田公男さんの『今どきサイエンス』で理科ハウス図録を取り上げていただきました。

昨年、理科ハウスが科学ジャーナリスト賞特別賞を受賞したときに取り上げていただき、

またふたたびということになりました。


鴨志田さんは理科少年だったそうで、望遠鏡を手づくりしたそうです。

私は、理科には全く関心のない子ども時代を過ごしましたが、

今は科学館で毎日を過ごしています。

何がきっかけで理科にはまるかは誰にもわかりません。

でも、はまった人を受け入れてくれるのが科学館や博物館です。

ぜひ一度お立ち寄りください。

理科ハウス 森裕美子


2019年8月12日(月) (NO.910)


サイエンスレクチャー「ありウォッチング」



雨を心配していましたが、なんとか外での観察もできそうな空模様。

今日は身近な昆虫、アリの観察会です。

仮説社から出版されている検索シリーズの第2弾『身近なアリけんさくブック』の著者、吉澤樹理さんと川島逸郎さんが今日のゲストです。

しかもこの本を編集された荒木さんと社長の川崎さんも来てくださいました! なんとぜいたくな!

アリをつかまえるとき、どうしますか?

なかなかつかまえられないですよね。

ところが、吸虫管があればアリを簡単につかまえることができます。


自分の吸虫管を10分ほどで作り、いざ運動公園へ!

木の幹でチューチュー


道路でチューチュー


土の上でチューチュー


ふたりでチューチュー

どこから見ても怪しい集団です!


20分くらい経ったところで雨が降ってきてしまったので急いで理科ハウスにもどりました。

さあ、いよいよアリの同定作業です。吉澤さんにアリの見分け方を教えてもらって、自分がつかまえたアリの種類を調べました。


みんなで見つけたアリの種類は9種類でした。


ところが後でさらに調べたら、他に3種類もありました。全部で12種類! たった20分でこんなに。

後半は川島さんから昆虫画の描き方についてのお話がありました。


アリの胸と腹の境目がこんなところにあるのかー、というびっくりの話。

本に載っているアリの絵は頭、触角などパーツごとに角度を変えて描かれたものを合成してあり、その数60とか!

すごすぎました。

そして、「昆虫のスケッチをするときは、どこから描き始めたらいいですか?」の問いに、「かっこいいと思うところから描く!」との明快なお答え。


吉澤さんは、いつかアリの博物館を作るのが夢なんだそうです。もしできたら、世界で初めてのアリの博物館になるでしょう。

吉澤さん、川島さん、本当にありがとうございました。


はんこ職人さんの「ありはんこ」

理科ハウスでは早速、レクチャーで見つけたアリを観察できるコーナーをつくりました。

自分で見つけたアリの種類を調べられるようになっていますよ。

理科ハウス 森裕美子

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2019年8月5日(月) (NO.909)


自由研究相談所


夏休みもちょうど半分ぐらいが過ぎました。

毎日、違う学校の中学生がやってきて「自由研究」のお悩みごとを話してくれます。


「テーマを〇〇でやりたいと思っていたんだけど、他のテーマにした方が良いと助言された」

「課題は〇〇なんだけど、資料が見つからなくて」

「博物館などに行って、体験してくるように指示されている」

「自由研究ができたから、見てほしい」

「テーマを探しに、理科ハウスに来た」などなど。

みんな、悩んでいるのよね〜。


昨年までは、同じように中学生が相談に来ていたんだけど、

夏休みは毎年企画展をやっていたので

こちらもバタバタしていて、ゆっくり話を聞いてあげられない日も多かったのです。

でも、今年はじっくりひとりずつの話を聞いて対応することができています。


いっしょに考えたり、

「こんなのどう?」と理科ハウスの展示を見てもらったり、

図書室の資料を探したり。


まだ、悩んでいる方がいたら、ぜひ理科ハウスに相談に来てみてください。

お待ちしていまーす。

理科ハウス 森裕美子

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2019年8月1日(木) (NO.908)


三浦学苑高校 数学同好会によるワークショップ”サイエンスキャンパス”



7月25日の県立横浜栄高校につづき、第二弾「三浦学苑数学同好会」によるサイエンスキャンパスを行いました。

えっ、理科じゃないの?と不思議に思う人もいるかもしれませんね。

いえいえ、理科には数学がつきものですよ。

計算が楽しくなれば、理科の世界がぐんぐん広がっていきます。


数学同好会が披露してくれたのは、「裏がえしパズル」。

1枚のカードを5分割して5つのピースにします。裏がえしてカードの模様をそろえると、あれっ?ピーズがひとつ余ってる!

この余ったピースはどこに入るの?

というとっても不思議なパズル。

数学同好会のメンバーが、ひとりひとりに丁寧に指導してくれました。



相手に合わせた説明がとっても上手!


こうなったら理科ハウスも負けていられません。

館内のあちこちに数学パズルや図形問題を貼りだし、「理科ハウス」を「数学ハウス」にしてしまいました!

また、この日は小学生も来館することを予想し、「カラフルスライムづくり」も行いました。

理科ハウスクラブの中学生と大学生が進んでサポートしてくれましたよ。


そして、顧問の車田先生による実験ショー「オビワンクリップ」。

見事な手さばきに一同「おおーっ!」、「なんでそうなるの?」。


これが予想外にウケて、「これを自由研究のテーマにする!」と中学生。


三浦学苑高校数学同好会のみなさん、車田先生、濱田先生、ありがとうございました。

また来年もお願いします!

率先してお手伝いしてくれた理科クラブのみなさん、ありがとうございました。

あちこちで数学談義が交わされて、とっても頭を使った一日になりました。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年7月25日(木) (NO.907)


科学部による実験ワークショップ”サイエンスキャンパス”



いよいよ夏のイベント、中高科学部による科学ワークショップ”サイエンスキャンパス”@理科ハウスがスタートしました。

第一弾は、県立横浜栄高校サイエンス部の登場です!

栄高校のサイエンス部は、文化祭で地域の人たちに様々な実験を紹介するなど体験を重ねている実力派。

実験装置は、すべて部員の手作りです。


午後1時の開館と同時に、次々と人が集まってきました。

メニューは、

ピタゴラ装置

水中シャボン玉

ペットボトルトルネード

空気砲

リニアモーターカー

と盛りだくさんです。


それぞれのコーナーで、部員が丁寧にやり方やしくみを説明してくれます。

相手は、小学生だったり、中学生だったり、大人だったりするのですが、ちゃーんと相手に合わせてお話ししてくれます。

さすが!サイエンス部コミュンケーション力高!


ピタゴラ装置。なんと、玉転がしの土台が上下左右に動くようになっていて、土台を操作しながら玉を進める体験型ピタゴラ装置。これは新しい!


水中シャボン玉。普通のシャボン玉は空中に浮かんでいるけど、水中にシャボン玉を作ることができるか! ストローからシャボン液落とすときの加減が難しい。


ペットボトルトルネード。水を早く下に落とすにはどうしたらいい? そしてその理由は?


空気砲。あれ?残りのペットボトルになかなか当たらないよ〜。


リニアモーターカー。難しいしくみだけど、図を使って丁寧に説明してくれます。

K先生のクイズ大会。寄席みたいになっちゃてる(笑笑)


「高校生の解説が素晴らしかった」(大人)

「自由研究のネタにしたい」(小学生)

「自分たちも、こんな活動をやってみたい」(中学生)と大好評でした。

横浜栄高校サイエンス部のみなさん、顧問の先生方、本当にありがとうございました。

また、来年も来てください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年7月17日(水) (NO.906)


顕微鏡で微化石さがし


リニューアルオープンから約2ヶ月が経ちました。

館内は以前よりさらに濃厚な空間となっています。

じっくり実験を体験できたり、科学談義に花が咲きます。

先日来館された方が 「科学館にある展示の見方が変わりました」 と言ってくださいました。


新しくなった二階は研究室のように使っていて、化学実験をやったり、微化石探しをやっています。

逗子市の地層は海だったところが多いので、微化石さがしにはもってこいの石がゴロゴロ落ちています。

その石を細かくして化石を見つけ出すのです。

たくさんの鉱物の中に混じった放散虫や、ケイソウ、などを探します。

顕微鏡を使っての微化石探しは夢中になってしまい、つい時間を忘れてしまいます。

ガラス質でできている化石たちは、生き物と思えない不思議な形です。

ときとぎレアなものも見つかります。

微化石探し、やってみませんか。

理科ハウス 森裕美子


↑実際に理科ハウスで採った微化石(光学顕微鏡による画像)



↑電子顕微鏡写真/撮影:渡邊裕さん (はまぎん こども宇宙科学館の電子顕微鏡で撮影)

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2019年7月13日(土) (NO.905)


池子神明社おまつり演芸大会



今年も、池子の夏祭りの演芸大会に声をかけていただきました。

例年ですと、境内に作られた大きな舞台で演じるのですが、

なんと今年は雨! 急遽、隣接した池子会館でやることになりました。

うわー、困った!

なぜなら、池子のお祭りは毎年雨に降られることがなかったので、濡れても気にならない「落ちない水実験」を準備していたのです。

万が一失敗すると水浸しになってしまう・・・。

それでも、この実験はとても盛り上がるので、シートを敷いてやっちゃうことにしました!


コップに水を入れて、はがきで蓋をしてひっくり返す。そしてはがきを押さえている手を離す。水は落ちない!

よく知られた実験ですが、会場でやったことのある人はひとりもいませんでした。

さあ、やってみなくちゃわからない実験の始まりです!

緊張感を高めるために、コップの下に森館長が座ります。


はじめに挑戦したお父さんは見事成功!

しかし、板、ティッシュ、網と蓋の種類を変えるごとに、だんだん難しくなっていきます。

失敗する人続出!

館長はずぶ濡れ!

でも大丈夫。館長はこんなこともあろうかと、ちゃんと水着を着ていました。

そして、館長が水着姿をチラ見せ!!!

こんなことお祭りでしかできないですよね(笑)


さて、クライマックスは2リットルの水のはいったバケツに蓋をしてひっくり返します。

この実験には、大人の方2名が挑戦。失敗したら、大変です。

いやがおうにも緊張が走ります。

えいやっ!二人の息がぴったりあって、大成功!大きな拍手が起こりました。


最後は、コップに水を入れて、そのままひっくり返す大技を山浦がやってみせました。なんと水はこぼれません!

「えーっ?どうして」という場面で実験ショーは終了。

ちょっとぐらい謎が残っていた方がおもしろいよね!

地元の校長先生やお母さん、お父さん、そして子どもたちが、参加してくれて大いに盛り上がりました。

みなさん、ご協力ありがとうございました。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年7月9日(月) (NO.904)


イチ押し!科学の本


広ーくなった新しい理科ハウスの図書コーナー。

よく見ると、インデックス(アインシュタインの顔)がついている本があります。


これらは来館者が独断と偏見で選んだ私のイチ押し科学の本です。


ある時、大人の方がある本を手にとって言いました。

「懐かしいなあ。小学生のときこの本で読書感想文を書いたんだよな」

えっ、科学の本で読書感想文? なになに?

ってな感じで話が盛り上がりました。


またある時は、大学生が「この本がバイブルです」と受験のときに役に立った化学参考書を教えてくれることもありました。

そんな本にまつわるエピソードをそのままにしておくのがもったいなくて、

本にインデックスをつけて紹介することにしました。


高校理科教員が教えてくれた「物理の本質に迫る本」とか、

理科支援員さんが生きものが好きになるきっかけになった本とか。

おもしろかったページに「ココ!」ってしおりがはさんであると、つい開いちゃう!

インデックスをたよりに本をザッピングするのも楽しいです。


理科ハウスに来たらぜひ図書室をのぞいてみてください。

そして、あなたのイチ押しの科学本があったら教えてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年6月23日(日) (NO.903)


ダイヤモンドを燃やしたら─左巻健男先生と理科の探検─



ガハハ!と笑う左巻健男先生が理科ハウスに来てくれました。

相変わらず大きいなあ(背が高い)。

声も大きいなあ。



左巻先生は波乱万丈の人生を語りながら、数々の化学実験をしてみせてくれました。

水素ボンベを取り出して、いきなりチャッカマンで火をつけようとする左巻先生。

えーっ!とビビる参加者のみなさん。

バーナーのような炎がゴーっと横に吹き出します。

「水素は周期表のはじめだからね」

と言いながら、左巻先生は水素の実験を続けます。


電気分解で作った水素を長いチューブに入れ、端から出てきた水素でシャボン玉を作り点火。

音が半端なくすご-い!

化学実験は迫力あるな。


今度は水素と酸素を2:1で満たした長いチューブを全員で握って、5,4,3,2,1で点火。

チューブ内で爆発が起こり、大きな音が理科ハウスに響きます。

部屋を真っ暗にして行ったので、瞬間のぴかっ!がとてもきれいでした。

あっ、水ができてる。参加者のひとりがチューブ内の曇りに気づきました。


次はお待ちかねの炭素の実験、ダイヤモンドを燃やします。

ダイヤモンドは炭素原子だけでできているのだから、燃えるはず。

とはいえ、高価なダイヤモンドを燃やすなんて、とてもとてもできません。

今日はその貴重な瞬間を目の前で見ることができるのです。



さあ、いよいよバーナーで火をつけます。

ところが、なかなか燃えません。

そう、ダイヤモンドは簡単には燃えないのです。

ダイヤモンドを熱に強い石英管の中に入れ、酸素を送り込みながらガスバーナーでしばらく熱します。

すると、ダイヤモンドが燃えだしました。

ただでさえ輝いているダイヤモンドがさらに輝いているのです!



バーナーの火をとめても、ダイヤモンドは燃え続け、しばらくするとともしびのように小さくなって跡形もなくなくなっていきました。

なんという達成感!!

そして石英管の先をひたした石灰水は、白く濁っていたのでした。

左巻先生は、授業で「ダイヤモンドは炭素でできている」という話をするとき、実際にやってみたこともないのに、さも見たことがあるように語るのはいやだなあと思っていたとのこと。

そこで、ダイヤモンドを燃やすために、どんな器具を使ったらいいのか、どうすれば高い温度で燃やせるのか試行錯誤したといいます。


左巻先生は実験をするとき、チューブをガムテープでつなぐところ、ガスをいれるところなど、裏側を全部見せてくれます。

その動作のひとつひとつが、化学実験とはどういうものかを教えてくれます。

他にもたくさん見せてくれて、時間はタイムアウト。

実はそのあとにもいろいろあって(これは参加した人にしかわからない)、

終わったのは5時をすっかりすぎていました。

左巻先生は、ダイヤモンドだけでなく、みんなの心にも火をつけたのでした。



左巻先生、熱演をありがとうございました。

そして左巻恵美子さん、実験のサポートをありがとうございました。健男先生への容赦ないツッコミが最高でした!

ぜひまた来てください。

理科ハウス 森裕美子


ダイヤモンドをテーマにしたお菓子でティータイム。ディアマン(ダイヤモンド)という名前がついたクッキー(ざらめがキラキラしている)、日本で一番硬いと言われているクッキー、ダイヤモンド原石風氷砂糖、炭色のお菓子(ブラックココア)。ベイビーズブレスさんの作品です。



世界最大のダイヤモンド「カリナン」の消しゴムはんこ。はんこ職人さんの作品です。

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2019年6月19日(水) (NO.902)


本ができました!


理科ハウス初めての本、『理科ハウス図録』 ができあがりました!


内容をちょこっとご紹介。

前半は常設展示と物理・生物・化学・地学・数学の分野ごとに紹介。


後半は10年間で行った企画展の展示を紹介しています。


理科ハウスで作った展示はすごくたくさんあるので、全部はご紹介できなかったのですが、

手ごたえのあった展示はできるだけたくさん載せるようにしました。

写真もいっしょに載せているので見るだけでも楽しいですよ!

展示を作る楽しさを味わってもらえたらうれしいです。

数に限りがあるので欲しい方はお早めに手にいれてください。

お申込み、お待ちしています!

理科ハウス 森裕美子

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2019年6月9日(土) (NO.901)


入り口でミニ展示


理科ハウスの入り口で、池子の森自然情報を展示しています。


毎週池子の森を歩き、観察した生きものを記録し、新しい情報に更新しています。

街中と森の中に棲む生きものの違いなども分かりますよ。

外からでも見えますので、池子の森に行かれるかたはのぞいてみてください。


そして、その下には鳥の巣がずらーり!

いったい何の鳥の巣でしょう。

ササの葉ばかり使っている鳥はなんだろう?

出入り口が横にあるよ。

コケが使われているのはどうして?

などと、想像を膨らませるのも楽しいです。

前を通り過ぎた人がまた戻ってじっと見ていたり、

入り口であーだこーだとおしゃべりが始まったり、

みなさん興味しんしんです。


答えを知りたい人は、どうぞ理科ハウスの中へ。

入り口展示は、ときどきテーマを入れ替える予定です。

どんなものが並ぶのか、こうご期待!

理科ハウス 山浦安曇

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2019年6月6日(木) (NO.900)


はぁ〜い!藤田さんでーす!

なんと今日は、FM横浜の人気レポーター、藤田優一さんが、理科ハウスに来てくれました。

放送が始まる前から理科ハウスの周りには人が集まりだし、藤田さんの人気のほどがうかがえます。


そして、あの名物コール「はぁ~い!ふじたでーす」。

ラジオで聞くよりずっと声量があって迫力のある声に感動です!

藤田さんは、早速「砂金採り体験」に挑戦。

放送の中では残念ながら採れませんでしたが、

放送後に再チャレンジして、見事1個採ることができました。すごいすごい!


放送時間は5分間だったのですが、

藤田さんはそのあとも理科ハウスに残って、科学体験にチャレンジしてくれました。

嬉しいですね。

おとなも楽しい理科ハウス。

お時間ありましたらみなさんもどうぞ。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年6月2日(日) (NO.899)


おかえりなさい、高橋さん!



今年の2月9日に理科ハウスで南極授業を行ってくださった、高橋和代さんが3月下旬に日本に帰国しました。

今日は、その報告会です。

中継画面を通してやりとりしていたご本人が、目の前にいるのがなんだか不思議です。


高橋さんは、南極で撮影した画像をたくさん見せてくれました。

「南極昭和基地での生活」「南極の動物たち」「氷山の氷と海の氷」「しらせの海洋観測」など。

なんか「ダーウィンが来た!」を見ているみたい!


それだけではありません。実物の南極の海氷も持ってきてくれたのです。


よく見ると、縦に筋が何本も走っているのがみえます。

これは、海面から海水が凍る時に、塩分が吐き出されたときにできる筋です。

こうやって塩分の濃い海水が沈み、かわりに海洋深層水が浮かび上がってくる。

そこには、養分がいっぱい含くまれているので、植物性のプランクトンが育ち、動物性のプランクトンが育ち、オキアミが大量に育ち、ペンギンやクジラもそれを食べにやってくる、というわけです。

極地研究所で海洋生物の研究をされている真壁竜介さんがナンキョクオキアミなどの標本を貸してくださいました。


雪と氷の世界を生きる動物を支えていたのは、こうして増えた氷の下の生きものなのですね。


さらに、沈みこんだ海水は、世界の海をめぐり何千年もかかって再び浮かび上がってきます。

なんてダイナミックな循環なんでしょう。

高橋さんが南極から持ち帰った氷は、たくさんのことを語ってくれます。


そしてスペシャルゲスト、いっしょに南極に行っていた丸尾文乃さんも参加してくださいました。


丸尾さんはコケの研究者で、南極のコケについて調べています。

極寒の地、南極で生育しているコケは7種類。

雪解け水が流れる沢などに生育しています。

ガードレールの下に生えているおなじみのギンゴケも南極に生えていると知ってびっくり!

そこには「ナンキョククマムシ」が生息しているんですって。

南極はとにかく色が少なく、見えるのは氷の白と空の青と大地の茶の3色オンリー。

だから、緑のコケを見つけると、ほっとするんだとか。


盛りだくさんのお話をみんな時間も忘れて聞いていました。

南極授業のときも時間が足りなーい、と感じましたが、今回も興味が広がって時間切れです。

参加者の中には南極への夢が広がった人もいたようです。体験者の声を聞くってすばらしいですね!


当日の様子は、国立極地研究所のブログにも紹介されています。

理科ハウス 森裕美子・山浦安曇


高橋さんが南極で使用した衣服やヘルメット、ブーツ、グラスなども展示。中には、ユ○○ロ製のものもあって、日本でも普段使用できそうな感じでしたよ!

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2019年6月1日(土) (NO.898)


科学館の図録


今日は宣伝です。


6月18日に理科ハウス発行の本 『理科ハウス図録』 を発売開始します。

図録というのは博物館が発行する展示の解説本のことです。

10年間に作った主な展示を一挙公開しています。

本を見て懐かしがるのもいいし、「理科ハウスに行けなかったんだけど、どんな展示をやってたのー?」と気になる人も、この機会にぜひ読んで見てください。


A5サイズ、272ページ、フルカラーで税込2500円です。

郵送希望の方は、送り先の住所、氏名、冊数をメールでお知らせください。

ちなみに書店での購入はできません。

理科ハウス 森裕美子

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2019年5月26日(日) (NO.897)


whiteboard for discussion


カブリ数物連携宇宙研究機構という組織をご存知ですか。

そこの入り口には、巨大な黒板が取り付けられていて、研究者がいつでも自由に議論できるようになっています。

今、どんなことが話題になっているのか、他の人がどんな風に考えているのかが一目でわかっていいですね。


これをぜひとも理科ハウスにも取り入れたいと思い、館内の扉2面に大きなホワイトボードを取り付けました。

はじめは真っ白だったボードが、たちまち図や数字で埋まっていきます。

自分の考えを伝えるときに、ホワイトボードはとても便利です。

もちろん、紙でもいいのですが、どの角度からも見えるのがいいですね。

自然に回りにいる人を巻き込んで、議論の輪が広がっていきます。

今日はボードにどんなことが書き込まれるかな・・・。

展示ではないけれど、毎日の変化が楽しみなコーナーになりそうです。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年5月24日(金) (NO.896)


理科ハウスクラブって?


開館して一週間が過ぎました。

新しく作った理科ハウスクラブが人気です。

すでに20人近くの人が入会申し込みをしてくれました。

これからどんな活動ができるか楽しみです。

入会すると理科ハウスからのお知らせが届いたり、サイエンスレクチャーなどの申し込みも早めにできてとてもお得です。


入会できる人は理科ハウスに来たことがあり、近隣に住んでいる13歳(中学生)~25歳までの方です。

まだ申し込みをしていない人はメールでお申し込みください。

お待ちしています。

理科ハウス 森裕美子

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2019年5月16日(木) (NO.895)


オープン初日


とうとう再オープンの日がやってきました。

ちょっと見ただけではあまり変わっていないように思われるかもしれませんが,よくよく展示を見るとなんか違うと感じていただけるでしょう。

来館したらどうぞ積極的に展示に向き合ってみてください。

あいかわらず、詳しい解説パネルはありません。

そして答えも。

でも、きっと楽しんでいただけると思います。


平日だったので大人の方が多かったのですが、中学生も来てくれました。

お祝いのお花や品物を届けてくださった方もおられました。

みなさんの心からのお祝いの気持ちが伝わって本当にうれしかったです。

ありがとうございます。

エンジンかけて頑張ります!

理科ハウス 森裕美子



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2019年5月5日(日) (NO.894)


にぎやかな空


お昼すぎ、1本の電話がかかってきました。

「外を見てください。今、みごとな日暈(ひがさ)がでていますよ!」

急いで外に出てみると、大空に大きな虹色の輪っかが!


太陽を中心にコンパスでぐるりと円を描いたように、巨大な虹色の円が頭上に見えました。

これは、太陽の光が上空の氷晶に差し込んで、屈折した結果見える光の現象です。


電話をくれたのは、近くにお住いの理科の先生。

ハイキング中に見つけて、その場で連絡をくださったのです。


後で撮影した画像をよく見ると、

なんと、環水平アークも映っているではありませんか!

勢いのいい飛行機雲も加わって、にぎやかな空でした。


休館中でも、こうやってみなさんと科学の話題でつながれるのがうれしいですね。

開館まであともう少し。

新しい理科ハウス、楽しみにしていてください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年4月29日(月) (NO.893)


新しい看板


大型連休をいかがお過ごしでしょうか。

理科ハウスがやっていないのを残念に思ってくださっているでしょうか。

さて、理科ハウスが新しくなるのを機に看板を新しくしました!

世界一小さい科学館は、うっかりすると通り過ぎてしまいます。

この看板を見つけて、迷わないで来てくださいね。

理科ハウス 森裕美子

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2019年4月13日(土) (NO.892)


池子の森自然公園で野鳥観察


先週の土曜日4月6日に、池子の森自然公園で行われた野鳥観察会に参加してきました。

講師は、田中和徳さん。

理科ハウスでも、クモの観察会などでお世話になっている自然観察案内人です。

田中さんは、池子の森自然公園で、鳥類やカエル類のモニタリング調査を担当しており、

どの季節にどのエリアでどんな生きものが観察できるのかをよくご存じです。

なので、メインは野鳥でも、昆虫や植物など目に留まるものすべてを観るのが田中流。

この日も、池から顔を出しているウシガエルや、道に落ちている糞も観察しました。

田中さんが教えてくれるのは、生きものの種類だけではありません。

「これ以上近寄らないように観ましょう」など、生きものとの距離のとり方も示してくれます。

これまで池子の森に行ってもあまり見つけることができなかったのは、近づきすぎていたんだ、ということが分かります。

田中さんの自然観察会は、毎月第一土曜日に行われています。

時間は、8時30分。集合場所は、池子側の京浜急行踏切近くの橋付近。

予約は不要、小雨決行。

ただし、悪天候ややむを得ない理由で中止になることもあります。

その場合は、理科ハウスウェブサイトのトップページでお知らせします。

次回は、5月4日(土曜日)です。

みなさんも参加してみませんか。

理科ハウス 山浦安曇

陽だまりのビロウドツリアブ

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2019年4月8日(月) (NO.891)


寄付をいただきました


運動公園の桜を二階の窓から眺めながら、毎日作業に頑張っています。


春から再開する予定だと知って、池子在住の蓬田智乎さんが50万円の寄付をくださいました。

蓬田さんからはこれまでにも何度も寄付をいただいていました。

「理科ハウスってほんとにおもしろいところ」と言ってくださっています。

お気持ちが本当にうれしいです。


そして、4月にホームページを新しくした初日のことでした。

理科ハウスの銀行に、なんと100万円の寄付を入金してくださった方がおられたのです。

いつも理科ハウスを応援してくださっている渡邊裕さんです。

渡邊さんは元高校の理科の先生です。

以前にもプロジェクターや書画カメラなど寄贈してくださいました。


目の前で起こっていることが夢のようでした。

これが現実なんて信じられますか。

お二人とも理科ハウスの再開を楽しみに待ってくださっています。

身が引き締まる思いです。

本当にありがとうございます。


                                            理科ハウス  森裕美子

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2019年4月3日(水) (NO.890)


新しい理科ハウス


桜が満開になりました。

理科ハウスのホームページが新しくなったのを見てくださった方からメールが届いたりしています。

私たちも気持ちを新たに走り出そうとしています。


トップページをご覧になって驚かれた方がいるかもしれません。

いままで理科ハウスは対象年齢を小学3年生以上としていましたが、これからは13歳以上を対象とすることにしました。

それは、すでに来館者層が中学生が多くなっていたこと、その年齢の子どもたちに伝えたいことがいっぱいあるからです。

「小学3年生になったからやっと行ける!」と思っていた方もおられるかもしれません。

全然、大丈夫。理科ハウスはだれでもご利用いただけます。

でも、対象年齢の方がいるときには優先的に解説してしまうことをご了解ください。


オープンまでまだ少し時間がありますが、新しい展示に向けて準備中です。

みなさんに喜んでいただける展示を用意するので楽しみにしていてください。

理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

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2019年3月8日(金) (NO.889)


春の訪れ


気がついたら南極授業から1か月もたっています。

今日は暖かいねと思ったら、また寒い日が続いたりしました。

こうやって春は近づいていますね。

卒業したり、進学したりの報告を、この時期にはいつも聞くことができたのに、

今は休館しているので、そんなニュースも入ってきません。

ちょっと寂しいです。


理科ハウス、早く開館しないかなあと待っていてくださるみなさま、

もう少し待っていてくださいね。

4月になったら再開日程の発表を行う予定です。

引き続きよろしくお願いいたします。

理科ハウス 森裕美子 山浦安曇

ウシガエルが目だけ出して、きょろきょろしていました。(池子の森自然公園の池にて)

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2019年2月15日(金) (NO.888)


南極大科学実験(その5)


南極授業の後、質問がまだたくさん残っていたので、

第50次南極隊員 武田康男さん国立極地研究所広報室長 本吉洋一さんに質問することにしました。

「南極でいちばん食べたくなったものは何?」

「病気になったらどうするの?」

「水はどのぐらいで凍りつく?」などなど。

30分くらいお話していただいたのですが、

それでももっと聞きたかった人もいて、これは続きをいつか設けなければいけないのかなと感じました。


 (質問攻めの武田さんと本吉さん)


(昭和基地と逗子で同時に記録した「もくもくカレンダー」。南極の気象の特徴について、気象予報士の武田先生に解説していただきました)


南極授業の様子を映像に撮ってくださったのはアルファ企画の佐々木仁さんです。

全くのご厚意で引き受けてくださいました。

おかげで当日に参加できなかった方々にも見ていただくことができました。

この場を借りて厚く御礼申し上げます。


また、リハーサルのために何度も足を運んでくださった極地研 寺村たからさん

メールで何度も連絡をしてくださった極地研 鈴木裕子さん、お世話になりました。

たくさんの方々によって支えられた南極授業でした。

みなさん、本当にありがとうございました。


当日参加できなかった方に、南極中継の様子を映像でごらんいただくため、10日と11日に臨時開館したところ、

予想以上にたくさんの方にご来館いただきました。

好評につき、17日(日)にもう一日、開館いたします。

実験結果はどうだったのか、予想はあたったのか知りたい人は、ぜひ授業の様子を見にきてください。

2Fの「南極の不思議展」もお楽しみいただけます。

国立極地研究所のレポート  60次隊のブログ「60次隊NOW!!」

【2019.2.9】60次隊全4回の南極授業すべて終了!

国立極地研究所 教員南極派遣プログラムHPのアルバム

南極PHOTO ALBUM(JARE60)


理科ハウス 森裕美子

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2019年2月14日(木) (NO.887)


南極大科学実験(その4)


実験の結果を踏まえて、議論を行いました。

参加者は、中学生、高校生、大学生。

高校生からレベルの高い意見が出て、なぞはどんどん深まっていきます。


実験の後、スタジオに戻った高橋さんの横には、地球物理チームの金尾政紀さん地磁気測定のお仕事をされている二村有希さんが集まってくださっていました。


こちらから投げかけた質問に次々と答えてくださいます。

二村さんの地磁気の測定の難しさについても教えていただきました。

金尾さんからは北極の近くにあるふたつの磁極についての説明がありました。


また、昭和基地にいらっしゃるみなさんが、地磁気以外のことで気になる南極についての質問に答えてくださいました。

「オゾンホールのせいで紫外線が強くなり、ペンギンの羽根が抜けたりしますか」にはペンギンの研究者が答えてくれたり、

「雪上車に使われている軽油はどうして凍らないのですか」には設営担当の方が答えてくれるなど。

南極に行って意外だったこと、スマホの方位磁針はどこを向くかなど、質問はとまりません。


あっという間に時間が過ぎてしまい、もっともっと聞きたい人がいたのですが、時間切れに。

高橋さんの「理科ハウスのやってみよう精神を、みんなも大事にしてください」というコメントで、中継は終了しました。

(つづく)

理科ハウス 森裕美子

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2019年2月13日(水) (NO.886)


南極大科学実験(その3)


中継時間の午後3時、理科ハウスからの「たかはしさ〜ん」の掛け声で南極授業が始まりました。


防寒着、ヘルメット姿の高橋さんの登場です!

昭和基地の外はブリザードが吹いていました。

気象庁の井上さん(左)が、南極の天気について説明してくださいました。


ブリザードと聞くと寒くなるのかというと逆に暖かくなるそうです。吹雪とは少し違うのですね。

そのあと、カメラが実験場所に切り替わり、実験を手伝ってくださるお医者さんの廣田さん建築の小山さんの登場です。


それぞれ南極でのお仕事の様子を紹介してくださいました。

南極では菌やウイルスを持ち込む生きものが少ないために、風邪やインフルエンザもないそうです。


お話を聞いているうちに高橋さんと井上さんがやってきて、いよいよ実験開始です。

高橋さんは理科ハウスTシャツを着ています!

まず、伏角計で磁力線の角度を調べます。

逗子では北側に下がる(N極が)のに、南極では南側が下がって(S極が)いました。

(上)逗子での伏角 左方向が北


(上)昭和基地での伏角 矢印方向が北


わかっていても実際に見ると納得です。


そのあと、逗子での実験の結果を高橋さんに伝えました。

南極でのみんなの予想も伝えました。

逗子より南極の方が発電量が大きくなると思った人は17人、少なくなると思った人は9人、同じと考えた人は1人でした。

さあ、南極での結果はどうだったと思いますか? ぜひあなたも予想してみてください。


(つづく)

理科ハウス 森裕美子

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2019年2月12日(水) (NO.885)


南極大科学実験(その2)


南極授業からすでに3日が経ちました。

まだ、余韻に浸っています。

振り返ると内容の濃い一日だったとつくづく思います。


当日は50次南極隊員の武田康男さん、そして国立極地研究所広報室長の本吉洋一さんも見守ってくださいました。

本吉さんは隊員として南極昭和基地には何度も行っておられ、隊長も経験されています。


南極授業を理科ハウスでやりたいと高橋和代さんから申し出があったのは昨年の5月末か6月の初め頃だったと思います。

高橋さんは、調布市立第七中学校の理科の先生です。

理科ハウスは秋には休館する予定でしたが、すぐにお受けすることを決めました。

こんな機会は二度とないと思ったからです。

それから高橋さんと授業の内容を練る日々が続きました。

私たちも立川市にある国立極地研究所の中にある科学館を訪れたりしました。


めったにない貴重な機会。それなら、まだ一度もやったことがないことに挑戦しよう。中継だからできる実験をしよう。

そこで思いついたのが「地磁気を使った発電実験」です。

逗子と南極で同じ実験ができるように、実験道具を揃える準備をしました。

高橋さんのお友達で小学校の教員の斎藤由香さんが発電実験のお手伝いをしてくださいました。

物理学のアドバイスを受けようと常々お世話になっている北里大学教授の山本明利さんや、鎌倉学園理科教員の市江寛さんに相談しご助言を受けました。

当日はこのお二人も来てくださっていました。

たくさんのアドバイザーに見守られての実験当日を迎えられたのはとても幸運でした。

(つづく)

理科ハウス 森裕美子

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2019年2月9日(土) (NO.884)


南極大科学実験(その1)


いよいよ今日という日がやってきました。

前日の天気予報では雪か雨。

これじゃあ、外での実験はでけへんやん!

今回の発電実験は4メートル以上の電線コードを縄跳びのように回すものなので、広い場所が必要だったのです。

当日の参加者が多いので室内での実験ができるかどうかが悩みの種でした。

午前中には空を何度も見上げていたのですが、12時頃になると雨も止みました。

日頃の行いがよかったせいか、天の助けかわかりませんが、なんとか外での実験が可能となりました。


実験の内容は地磁気による発電です。

発電量は、逗子と南極・昭和基地ではどのぐらい違うのか、やってみなくちゃわからない大科学実験です!

南極との中継が始まるのは、午後3時から。

参加者は1時に集合し、室内でレクチャーを受け、近くの公園へ行って実験を行いました。

テスターで電流をはかり、その結果をもとに南極での結果を予想しました。

はたして、自分の予想は合っているのか。

ワクワクしながら、南極授業を始まるのを待ちました。

(つづく)

理科ハウス 森裕美子

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2019年2月6日(水) (NO.883)


南極授業リハーサル


すでにウェブサイトやポスター等でお知らせしていますように、2月9日に南極昭和基地と生中継で授業を行います!

何か月も前から準備をしてきたのですが、いよいよ本番の日が近づいてきました。


今日はそのリハーサル。

南極・昭和基地にいる高橋和代さんと久しぶりに会えて感動的でした。

高橋さんはとても元気で、授業の準備もバッチリ!

9日はすばらしい授業になる予感がします。

助っ人で参加してくださる南極観測隊員の方も最初の予定よりどんどん増えていて、

南極での盛り上がりも感じられました。


今日は南極がすごく近くに感じられたのですが、本当はとてつもなく遠い場所なのです。

南極の展示を準備しているときに、南極大陸への探検家の話を少し読みました。

多くの人の、途方もない苦労の末に今があるのだなあとつくづく感じました。

国境のない平和な大陸、南極大陸にまだまだたくさんのことを教えてもらいたいなあと思いました。

理科ハウス 森裕美子

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2019年2月1日(金) (NO.882)


ヤマアカガエル活動開始


前日に冷たい雨が降り、ちょっとだけ気温がゆるんだ2月1日。

もしや、と思い、名越緑地に行ってみました。

ありました!ヤマアカガエルの卵塊です。


卵は新鮮だったので、おそらく前夜に産んだものでしょう。

ヤマアカガエルは、他のカエルのなかまよりも一足先に冬眠から目覚め、産卵を開始します。

産卵したあとは、また山に戻り冬眠の続きをします。

つまり二度寝ですね。


ヤマアカガエルは決まって、1月~2月の雨が降った後に産卵します。

どうやって「その時」がわかるのか本当に不思議。

雨が降った翌日、「今日かも・・・」と池を見に行き、狙い通り卵塊を見つけると、すごくうれしい!

生きものとリズムがピッタリあうと、生態系の一部に取り込まれた気分になるのです。


ヤマアカガエルも活動開始、ということで私たちもモゾモゾ動き出していますよ!

次の日記をお楽しみに。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年1月21日(月) (NO.881)


鳥の剥製をつかって


久木小学校で「里山ってどんなところ?」をテーマに授業をしてきました。

子どもたちは、これまでに名越緑地を何度か訪れ、「なぜだろう?」と思うことを話し合ってきました。

本やインターネットで調べてもわからなかったことを、科学館のひとに聞いてみようということで呼ばれたのです。


「白いサギは何を食べているの?」

「なぞの虫の名前を知りたい」

「竹はなぜかたまって生えているの?」など。

なかなか興味深い質問です。

すぐ答えるのは簡単だけど、自分の頭で考えてみることも大事ってことで、

白いサギの足は何色だった? 虫はどこにいたの? かたまって生えているということはどういうこと?などと深り下げてく問いかけてみました。

さらに、理科ハウスにあるダイサギの剥製も登場!

あまりの大きさに子どもたち大興奮!

ほんものがあると、盛り上がりますね~。

モノが訴える力はすごいです。


サギの食べ物や、竹の生え方について考えるうちに、里山がどんなところかということにつながっていきました。

ちゃんと自分たちの力で着地点を見つけることができました。すばらしい!


今回は、たくさんの本物資料を持ち込むことで、子どもたちの興味関心度がぐっと高まりました。

理科ハウスではたくさんの標本を所蔵しています。骨格標本、剥製、種子、岩石、化石など。

お貸しすることもできますので、学校教育の場でご利用いただけたらと思います。

一度ご相談ください。

理科ハウス 山浦安曇

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2019年1月13日(日) (NO.880)


新春実験ショー


今年の抱負を書こうと思いつつ、お正月からはや二週間も経とうとしています。

9日には藤沢の大道小学校に行き、3年生と4年生のみなさんと一緒に実験を楽しみました。

4年生の担任のお一人は、なんと以前池子小学校におられた大谷先生でした!

いっしよに実験してくださってとても盛り上がりました!


昨年の11月に実験ショーをしたときにも感じたことですが、

「見たことある!」の声が以前より少なくなったような気がしています。

テレビをあまり見なくなっている?

それともでんじろうさんの出演番組が減っているせいなのか?

科学ネタをすごくよく知っている子どもと、全く触れたことのない子どもとの二極化が進んでいるのかもしれないですね。

今年はどんな子どもたちとの交流が生まれるのか楽しみにしています。

どうぞよろしくお願いいたします。


理科ハウス 森裕美子

(撮影)役員さん

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2019年1月1日(月) (NO.879)


あけましておめでとうございます


答えは Li

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